2010年12月18日12時06分掲載  無料記事
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ビルマ民主化

ビルマ東部の戦闘で難民2万5000人がタイに 現地NGOが日本にも支援金を呼びかけ

  11月7日の総選挙の翌日からビルマ(ミャンマー)東部カレン州で起きた国軍と民主カイン仏教徒軍(DKBA)の戦闘で、2万5000人以上ものカレン人がタイ側に避難した。これだけ多くの難民がタイ側へ流出したのは、過去25年で初めて。長年現地で医療活動を行っているメータオ・クリニックを中心に構成される支援団体Forum on Burma’s Community Based Organizations (FCOB))からの要請をうけ、ビルマ市民フォーラム(PFB)では日本での支援基金の受け付けを始めた。(日刊ベリタ編集部) 
 
2010年12月17日 
ビルマ市民フォーラム 
 
11月7日に行われた総選挙の翌日、ビルマ東部カレン州ミャワディで戦闘が起き、国境を挟んだタイ側へ2万5000人以上ものカレン民族住民が避難しました。これだけ多くの難民がタイ側へ流出したのは、過去25年で初めてのことです。 
 
ビルマ国軍と民主カイン仏教徒軍(DKBA)との戦闘はその後も散発的に続いています(12月13日にも衝突があったとの報告)。 
 
ビルマ側での情勢は不安定で、住民は危険にさらされたままです。タイ当局は避難民を一時的には受け入れるものの、砲撃などが止むとすぐに避難民を強制的にビルマ側へ帰国させているため、戦闘が再開するたびに避難民もまたタイ側に渡るといった繰り返しが1か月以上続いています。 
 
長年現地で医療活動を行っているメータオ・クリニックを中心に構成される現地の支援団体(Forum on Burma’s Community Based Organizations (FCOB))からの報告によると、12月6日現在で3,600人以上がタイ側で支援を受けており、それ以上が知人や友人のもとへ身を寄せたり、タイ当局へみつからないようにと隠れていると見られています。加えて、その他、2,000人以上が国境の川沿いやビルマ側カレン州の奥地にも避難していると思われます。食料や飲料水も不足しています。 
 
現地からの支援要請をうけ、ビルマ市民フォーラムでは避難民への支援基金を受け付けています。 
こうした状況にご理解いただき、ぜひご支援をお願いいたします。 
 
▼お振込先▼ 
三井住友銀行 麹町支店 
(普通)1607998 
名義:ビルマ難民支援基金事務局 渡辺彰悟 
(お手数ですが、お名前とご住所をPFB事務局(pfb@izumibashi-law.net )までお知らせください。) 
 
★お送りいただいた支援金はFCOBコーディネーター(メータオ・クリニック)へ送金され、 
避難民への支援へ使われます。 
 
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■■ 参考 
 
 
【現地映像・写真など】 
 
*以下のサイトから現地の映像がご覧いただけます。 
英語のみですが、現地の避難民の様子がご理解いただけるかと思います。 
是非ご覧ください。 
 
★Forum of Burma’s Community-Based Organizations (FCOB) 
 
▼現地情勢について(FCOB) 
2010年11月・12月(英語。ナレーションは下記、FCOBから各国政府宛の要請書とほぼ同様の内容です。) 
http://www.youtube.com/watch?v=MhxhDJ-T8qg 
 
▼タイ側へ避難した住民へのインタビュー映像(英語字幕) 
2010年11月撮影 
http://www.youtube.com/user/fcobforum#p/a/u/1/kSY2Oz1kghc 
 
▼タイ側へ避難した住民へのインタビュー映像(英語字幕) 
2010年12月8日撮影 
http://www.youtube.com/user/fcobforum#p/a/u/2/XFD3QsivwZQ 
 
▼FCOBフェイス・ブックのサイト(写真や映像などがご覧いただけます) 
http://www.facebook.com/FCOBForum 
 
★メータオ・クリニック 
<ウェブサイト>  http://maetaoclinic.org/ 
<フェイス・ブック> http://www.facebook.com/MaeTaoClinic 
 
★ビルマ民主の声(DVB) 
Refugees won't go back(英語) 
http://www.youtube.com/user/DVBTVenglish#p/a/u/2/jnss-LIXwOk 
 
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【現地支援団体FCOBから各国政府へ宛てられた要請書】 
 
(日本語仮訳:ビルマ市民フォーラム) 
 
Forum on Burma’s Community Based Organizations (FCOB) 
2010年12月6日 
 
要 請 書 
−各国政府はビルマ東部の武力衝突により逃れ出た難民へ支援を− 
 
11月7日にビルマで総選挙が実施されてから数週間の間に、ビルマ軍事政権(SPDC)からの武器の引渡しと国境警備隊への改編要請を拒否した少数民族の武装組織とビルマ国軍との間で緊張が高まり、タイ・ビルマ国境沿いの数ヶ所で武力衝突が起きました。その結果、10年ぶりとなるタイへの一般市民の大量流出という事態になりました。 
 
11月8日だけで、2万5000人以上の住民がビルマ側のミャワディから国境を越え、タイのターク県メーソットへ逃れました。また、スリー・パゴダ・パス(三仏塔峠)での交戦により少なくても10,000人がタイへ逃れ、その間にあるウォーレイ村からも2,500人が避難しました。それ以来、頻繁に住民が国境を越え避難しています。 
 
私たち現地コミュニティーの支援団体や国際NGOはタイに逃れ出た住民への支援活動を行っています。12月6日現在、3,600人がタイ側へ逃れ、現地コミュニティーから支援をうけています。タイへ逃れ出た人々の総計はこれ以上の数になります。2,000人以上が未だ住むところもなく、国境のモエ川沿いに避難していると思われます。カレン州の他の地域にも多くの人々が避難民となり逃れています。 
 
タイ側に避難した住民の中には、自主的にビルマに帰国する人もいます。しかしながら、戦闘地域から逃れ出た人々の多くが、未だ安全面での心配がありながらも、現在も交戦状態にある地域へ強制的に帰国させられています。 
 
今後はカレン州のみならず他の国境地域においても武力衝突の継続または激化の可能性が非常に高いです。こうした状況において、タイ当局とNGOは、戦闘地域から逃れ出た住民に対して、帰国しても安全上問題が無いことが明確になるまでの間は、必要な保護や支援を提供するようしっかりとした計画を打ち出す必要があります。また、このような人道危機を生み出している武力衝突を停止させるよう協調した努力も必要です。 
 
したがって、私たちは、世界各国の政府に以下の点を要請いたします。 
 
● ビルマ軍事政権に対し、少数民族に対するすべての敵対行為および挑発的行動を停止し、少数民族代表者と民主化勢力との三者対話を実施するよう要請すること。 
 
● タイ政府に対し、戦闘地域から逃れて出た住民が一時的にタイへ避難することを許可し、安全上問題ないことが明確になるまでは、住民を戦闘地域に帰国させないよう要請すること。 
 
● 国連難民高等弁務官事務所に対し、タイに避難している住民のモニタリングと保護、そして現地コミュニティー団体と国際NGOの連携を図るよう要請すること。 
 
医師 シンシア・マウン 
FCOB コーディネーター 
 
*FCOBは11月7〜8日の戦闘による避難民流出をうけ、設立された20以上の現地団体 
による連合体です。 
*要請書(英語)をご入用の方はPFB事務局までご連絡ください。 
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■□■ ビルマ市民フォーラム People's Forum on Burma 
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東京都新宿区四谷1-18-6 四谷プラザビル4階 いずみ橋法律事務所内 
Tel: 03-5312-4817 Fax: 03-5312-4543 
●ツイッター:http://twitter.com/PFB_JAPAN 
●ホームページ:http://pfb-japan.org/ 
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