2011年01月17日00時41分掲載  無料記事
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TPP/脱グローバリゼーション

当たり前に生きたい、ムラでもマチでも  2月26日に都内で、百姓が呼びかける「TPPでは生きられない!座談会」

  百姓の呼びかけでTPP参加阻止集会とデモが2月26日に東京で行われる。「当たり前に生きたい、ムラでもマチでも−TPPでは生きられない!座談会−」と銘打たれた小さな集まりだ。予定されている集まりは小さいが、もつ意味は大きい。(大野和興) 
 
  まず百姓が農協など既成の組織と関係なく自前で立ち上がり、呼びかけていること。さらに、農業という枠内にとどまるのではなく、グローバリゼーションの中で苦しむ非正規労働者や中小零細事業者、野宿者などへ大きく「ともに」と呼びかけていること。小さい輪は、次第に広がってきている。 
 
  2月26日の集会は、東京・御茶の水の明治大学リバティタワー2階1021教室で午後1時から5時まで開かれ、そのあとデモに移る。集会は参加者全員が発言する意味で「座談会」と名づけられている。また韓国から農民を招き、同じように自由貿易の嵐にある農民同士の連携を深める。 
 
《呼びかけ》 
  TPP(環太平洋経済連携協定)というのをご存知ですか。まだ正体のよくわからない 
この妖怪がわたしたちに襲いかかろうとしています。 
 もともとは2006年に発効したニュージーランド、チリなど4カ国の小さなFTA(自由貿易協定)だったものが、新たにアメリカ、オーストラリアなど数カ国が参加を表明したため「バスに乗り遅れるな」とばかり菅首相が飛びつき、財界や大手マスコミが政府の尻を叩き、その賛否を巡っていまや大論争となっています。 
  それぞれの家庭にそれぞれの事情や都合があるように国や地域にとってもそれは同じです。相手の立場に配慮して協議をすすめるのが貿易交渉ですが、TPPは例外なき自由化を強引に進めようとするものです。菅首相はこれに参加することを、明治維新、敗戦に次ぐ「第三の開国」と述べました。 
 これが実行されたら、コメをはじめとして畑作物、乳製品から沖縄のサトウキビまでほとんどが輸入物に置き換わり、食料自給率は14%まで低下すると農水省は試算しています。これは地域の崩壊を意味し、人が暮らし続けることができるバランスのとれた社会としての「日本」の終わりを意味します。 
  マスコミの一部は「牛丼が200円になる」とはしゃいでいますが、労働力も自由化され、際限のない賃金水準まで下がりつづけ、安い牛丼すら食えなくなることを覚悟しておくべきでしょう。ワーキングプア、非正規社員はふえつづけ、農村からの離村者なども含め、都市に失業者があふれることにもなりかねません。 
  いったい、誰のための自由化でしょうか。私たち農民はもとより、多くの人たちにとって、なんのメリットもありません。どうか、みなさん。この愚挙、この暴挙を阻止するために、私たちと共に立ち上がってください。 
  2月26日に全国の百姓が東京に集まり声を挙げます。多くのみなさんの参加を呼びかけます。 
 
共同代表:山下惣一(佐賀・百姓) 菅野芳秀(山形・百姓) 天明伸浩(新潟・百姓) 


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