2011年02月06日04時26分掲載  無料記事
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文化

一枚の写真から 〜ルーマニアの実力派女優オフェリア・ポピ〜

  かつてルーマニアといえばコマネチだったが、今はこの人だ。 
 
  ルーマニアの演劇祭「シビウ国際演劇祭」は今日、世界三大国際演劇祭の1つに至るまで発展を遂げた。毎年5月末から6月上旬にかけて世界70カ国から参加があり、1日約35000人がつめかける。第18回目となる今年は5月27日から6月5日までだ。不況の中でもシビウは演劇で活気を保っている。特に女優オフェリア・ポピさんの人気は抜群だという。 
 
  ポピさんが演じているのは演劇祭の中心でもあるラド・スタンカ劇場だ。ポピさんはルーマニアばかりか、2009年には英国のエジンバラ演劇祭においても「ファウスト」のメフィストフェレスの演技で最優秀女優として高く評価された。 
 
  ラド・スタンカ劇場の映像サイトが以下だ。この映像ではポピさんがフィーチャーされている。一見、普通の女の子のようだが、ひとたび舞台に立つと激しいマグマのようなエネルギーが観客をとりこにするという。 
http://www.youtube.com/user/TNRSS#p/u/4/QE87x9DdoKk 
  昨年のシビウ国際演劇祭では「ファウスト」のメフィストフェレスを女優として裸も厭わず体当たりで演じ、独特のメフィストを表現して観客をとりこにした。「ファウスト」の演出はSilbiu Purcareteによる。短い演劇祭の期間でも「ファウスト」以外の劇をかけもちし、いくつもの配役を十二分にこなしたと聞く。 
 
  ちなみに、このシビウの町は冷戦終結後、演劇を核にした町興しを進めてきた。演劇祭のディレクターであるコンスタンチン・キリアック(Constantin Cgiriac)氏を中心に、欧州全域から実力を持った演出家を招いて、質的にも年々充実度を上げてきた。その結果、世界三位の国際演劇祭へと成長を遂げたのである。演劇祭の開催期間は演劇だけでなく、ダンスやジプシー音楽、さらに街路では大道芸まで披露される。 
 
  以下は演劇祭の期間中にレンガ造りの古い書店で行われた詩の朗読会の模様。俳優たち数人が参加している。ルーマニア語はわからなくても、文学の香りが漂っているのがわかる。 
http://www.youtube.com/user/TNRSS#p/u/0/IGXT0mmLSKs 
 
■シビウ国際演劇祭のホームページ 
http://www.sibfest.ro/The-Sibiu-International-Theatre-Festival-2010.aspx 
 
■Radu Stanca 国立劇場のホームページ 
http://www.sibfest.ro/TNRS.aspx 


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