2011年08月05日13時29分掲載  無料記事
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TPP/脱グローバリゼーション

運動から生まれた運動のためのパンフ  『TPP−あたりまえに生きたい ムラでも、マチでも−』 編・発行 TPPに反対する人々の運動  定価100円

  3月11日の東日本大震災で息をひそめていた感のあった「TPP推進論」が息を吹き返し、経済界や大手マスコミが「早く日本も交渉に参加を」とはやし立てている。その論理は、大震災の復興には巨額に資金がいる。その資金を調達するには税収を増やさなければならない→税収を増やすためには日本経済が活性化する必要がある→日本経済活性化のためには貿易と投資の自由化が必要であり→それを徹底的に進めることを目指しているTPP参加を、いまこそ進めるべきだ、というものだ。(大野和興) 
 
  TPPとは「環太平洋経済連携協定」の英語名の頭文字をとったもので、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、ペルー、マレーシア、シンガポール、ベルネイ、ベトナムの9カ国が参加して交渉が進められている。その特徴は、これまで2国間や地域単位で結ばれてきた自由貿易協定(FTA)と比べ、貿易と投資に関し、例外を認めない徹底した自由化を目指していることだ。間税はゼロとし、貿易や投資に関しての規制をなくして、資金の流入流出を完全に自由にする、といったことがうたわれている。 
 
  では日本がTPPに参加したら何が起こるのか、推進論者が言うほどTPPは経済活性化に効果があるのか。本書は24ページと薄く小さなパンフレットだが、その全体像を簡潔にまとめ、農民や非正規労働者、零細事業者など、経済的弱者の立場に立ってTPPが持つ問題点を明らかにしている。激烈な国際競争に巻き込まれる中で、農業の解体、労働現場で働く者の権利剥奪、貿易や投資の自由を進めるための規制の撤廃−そこには食の安全や環境を守る規制、国民の健康や生存権を守るための公的保険制度や介護制度の外資参入を含む民営化−などが含まれる。 
 
  本書を刊行した「TPPに反対する人々の運動」は、そうした経済的弱者が手を組んでTPPを阻止しようと、農民が呼びかけ、さまざまの市民団体、NGOが参加してつくられた緩やかなネットワーク組織。これ以上経済成長や効率化を求めないで、みんな「当たり前のくらしを取り戻そう」と呼びかけている。本書の注文はアジア太平洋資料センターまで(東京都千代田区神田淡路町1−7−2東洋ビル)まで。 


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