2013年01月12日11時41分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201301121141046

TPP/脱グローバリゼーション

山形で「ストップ!!TPP山形県民アクション」立ち上がる

 総選挙が終わった直後の二〇一二年一二月、山形で「TPP交渉参加反対」を掲げて幅広い分野の人びとが集まる運動体が立ち上がった。「ストップ!!TPP山形県民アクション」だ。一二月二三日に寒河江市の文化センターで約二〇〇人が参加して立ち上げの集会が行われた。立ち上げ集会では田代洋一多妻女子大教授の記念講演の後、「私たちは、国民生活を守るために、地域医療、教育、食の安全と農林水産業、あらゆる労働者の賃金と労働条件を守るため、TPP参加に断固反対」し「新政権に対して反対の声をあげていく」との運動の基調を確認して幕を閉じた。(大野和興) 
 
 同山形県民アクションは、県内の農民グループと自治労、県教組、林野や全農林、水道や交通関係をはじめとする各労働組合、医療関係、各地区平和センターなどさまざまな分野の団体・個人で構成され、共同代表には山形県平和センターの岡田新一議長と置賜百姓交流会の菅野芳秀さん(TPPに反対する人々の運動共同代表)がついた。農民グループは置賜百姓交流会のほか山形県有機農業者協議会、庄内協同ファームが参加している。食の安全や消費者の領域では地域の生協も今後アクションの参加団体として加わる方向だ。 
 
 TPP反対運動はこれまでそれぞれのセクターや業種・業界ごとの縦割りの組織で動いてきている。首都圏ではそうした壁を超えた運動の場づくりが徐々には進んでいるが、力も小さく充分ではない。今回の山形における県民アクションの立ち上げは、地域からそうした運動の壁を突き破り、TPP反対運動のすそ野を広げる実践の第一歩といえる。参加団体は農民、教育関係者、自治体労働者、交通労働者、医療、生協などに大きく広がっている。この広がりももとに地域、生活、職場の足元から運動を積み上げる事が出来れば、TPP反対運動は質的にも量的にも大きく前進することになる。 
 
 山形県民アクションの事務局は県平和センター内に置かれる。今後幅広い団体・個人に参加を呼びかけながら、県・市町村議員、自治体、JAなどとも連携を取りながら運動を進める。また、同じ問題に直面してTPP反対の運動を進めている海外の市民・農民などとの連携も追及する。 
 
 TPP交渉参加を前のめりで進めてきていた野田政権から安倍自公政権へと政治体制が変わった。日米同盟強化を政権の目的に第一に置く現政権の下で、TPP参加は同盟強化の試金石とみなされている。いずれは安倍政権はTPP参加の方向に大きくカジをきることが予想できる。こうした政治の大きな構図に対抗するには、人びとのくらしの根っこのところから運動を積み上げ直すことが大切になる。全国各地の民民も参加しながら首都圏で生活協同組合や労働者、NGO・市民グループとつながってTPP反対で活動する市民グループ「TPPに反対する人々の運動」は、山形で立ちあがった県民アクションとつながりながら全国で同じような運動をつくりだす方向を目指して動こうとしている。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。