2014年06月24日11時25分掲載  無料記事
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TPP/脱グローバリゼーション

【ほんまやばいでTPPその4】 アジアを覆うグローバル化の嵐 大野和興

 ではアジアの視点からTPPを見たら何が見えるか。いま全世界で自由貿易網が形成されていますが、アジアだけ見ましても東アジア日中韓FTA構想、日韓と日中、韓中、ASEAN10ヶ国のFTA、それに東アジアを足したASEAN+3(日中韓)、さらにその上にニュージーランド、オーストラリア、インドを加えたASEAN+6、そしてその上にAPEC21ヶ国、APECというのはアジア太平洋のほとんど全部の国を網羅していますが、それを自由貿易でつなぐRCEP。こうした重層的な自由貿易網が今、アジア全体を覆ってます。 
 
 TPPはその中の一つにすぎない。アジア全体のそういう動きをどう見るのかということを一方で見ておかないと、実は人々のくらし、大衆のくらし、民衆のくらしの中で、いったい、何が今起ころうとしているのか見えてこないということだと思うのです。 
 
 タイの人で、僕の古い友達なんですが、バムルン・カヨタさんという人がいまして、タイ東北部の農民で農民運動家でもあります。彼とは25年の付き合いで、この間日本にお呼びし、各地で話をしてもらいました。今、タイの農民にとって何が一番問題かとお聞きしたらASEANの自由貿易圏協定が2015年、つまり来年動き出す、そしたらタイの百姓がえらいことになるということでした。米作の国ですが、タイよりコストが安いコメがカンボジア、ラオス、ベトナムからどんどん入ってくるというのです。いま考えなければならないのはアジアの農民同士が競争ではなく共生の関係をどうつくっていくかということだとも言っておりました。いまアジア全体がそういう状況の中に放り込まれています。 
 
 韓国では朴槿恵(パククネ)政権は、今、TPPに入るとかの話しをしていますが、2012年3月には韓米FTAが発効しています。激しい反対運動が展開されたた末の発効でした。韓国はそのほか、EUとの自由貿易協定が締結されており、現在中国とも自由貿易協定を結ぶ交渉を進めている。日韓もいまは中断していますけれども交渉途中です。ある。韓国でこうした状況を同時多発的FTAと言っております。特に中国とのFTAは動き出すと韓国の農業は潰滅するだろうという風に言っています。 


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