2014年06月26日09時50分掲載  無料記事
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憲法

集団的自衛権と「武力行使の三要件」 これは9条ではない

   公明党が憲法第九条の解釈改憲を受け入れる条件とした武力行使の新三要件が新聞で報じられた。以下は朝日新聞の25日付で紹介された文言である。 
 
  _罎国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること 
 
  △海譴鯒喀し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと 
 
  I要最小限の実力行使にとどまるべきこと 
 
  このうち、「我が国と密接な関係がある他国」、「明白な危険」という文言は公明党の意見を組み入れて自民党が修正した文言だとされる。 
 
  いずれにしても、この三条件を満たせば憲法を改正しなくても解釈改憲で集団的自衛権の行使による武力行使ができる、と自民党と公明党はしているのである。これに対する国民の疑問は大いにあるだろう。 
 
  A)「我が国と密接な関係にある」の密接さは何を基準に 
    するのか、ということである。米国以外であればどこ 
    になるのか。ベトナムなのか、韓国なのか。 
    イラクなのか。その基準は何か。 
    時の政権の恣意的な解釈で戦争の有無が決まることに 
    なるのではないか(というより米国の時々の事情で 
    決められることになるのではないか) 
 
  B)これを排除する以外に国民を守る他の適当な手段がない 
    こと、とあるが、戦争回避を基軸にした憲法観によれば 
    そもそも近隣国との緊張を回避し、平和外交によって 
    戦争を回避することが前提である。しかし、安倍政権は 
    自ら近隣諸国との関係を悪化させている。すでに武力 
    行使の要件を満たしていないことになる。 
 
  C)戦争がいったん始まったら、それを終えるには相手国が 
    戦争終結に合意しなくては終わることができないこと。 
    これは「テロとの戦い」に終わりがないことを見れば 
    明白である。イラクを見ればよい。必要最小限の実力 
    行使という言葉に中身はない。それは主観的な願望に 
    過ぎない。 
 
  戦後の平和を支えてきた憲法第九条を事実上変えてしまおうとしている安倍政権と公明党である。しかも安倍首相は中東への自衛隊の派遣も考えている。国民の多くが集団的自衛権の行使によって日本が平和で安全になるというより、それによって一層日本が危険となり、生命や幸福追求の権利が失われる危険を感じている。日本が戦争に巻き込まれる確率が高まってきた。 
 
  国民の過半数が解釈改憲に反対している。これを安倍政権と公明党は前回の選挙で多数派を握ったというだけで国民の声に耳を傾けず、強硬に決めてしまおうとしている。しかも、前回の選挙でこのことは争点になっていなかった。国会を解散して、国民に問うべきである。 
 
 
■ 日本国憲法第9条 
 
1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 
 
2)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 


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