2016年01月19日23時13分掲載  無料記事
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文化

ブルキナ・ファソのテロ事件で写真家/ビデアストのレイラ・アラウィ(LEILA ALAOUI)氏も死亡 〜マグレブ地方の人々や欧州へ越境した人々の息吹を伝える写真家・ビデオ芸術家だったようだ〜

  写真家でビデオ・アーチスト(ビデアスト)でもあるレイラ・アラウィ氏がアフリカのブルキナファソの首都、ワガドゥグーで1月15日に起きたテロ事件で重傷を負い、3日後の18日に亡くなった。このテロ事件についてはAQMI(マグレブ地方のアルカイダグループ)が犯行声明を出した。犯行現場は外国人客が多く滞在するレストランやホテルだった。報道によると、銃弾がレイラ・アラウィさんの手足に当たったようだ。 
 
  レイラ・アラウィさんはパリ出身で、モロッコ系だった。学生時代はニューヨークで写真を専攻した。モロッコの人々などをモチーフにアイデンティティや文化の多元性をテーマにした写真やビデオアート作品を多く撮影している。閉鎖されたルノー工場で働いていたマグレブ移民の記憶をモチーフにした「悪魔の島」や砂漠や地中海を渡る越境をモチーフにした「渡航」などが近年のビデオ作品にある。アラウィさんはモロッコやフランスなど各地を旅しながら作品制作を続けてきた。享年33。今、もっとも先鋭なテーマに取り組んできた作家と言えるかもしれない。 
 
  亡くなったレイラ・アラウィさんのウェブサイトが以下。 
http://www.leilaalaoui.com/ 
 
■レイラ・アラウィさんのビデオ作品「悪魔の島」(昨年制作 6分) 
  パリ郊外にある閉鎖されたルノーの自動車工場の記憶をたどる作品。かつてはフランス最大の自動車工場だったこの工場も1992年に閉鎖された。そこで働くブルーカラー労働者の多くはフランスの旧植民地の出身者だった。すでに年老いた彼らがこの工場を再び訪ねる。かつて働いたこの工場では疎外感もあったが、同時にフランス人労働者との友情も芽生えた。 
 
■TV5MONDEに出演したレイラ・アラウィ氏 
http://www.tv5monde.com/cms/chaine-francophone/Revoir-nos-emissions/L-invite/Episodes/p-29367-Leila-Alaoui.htm 


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