2016年10月26日15時48分掲載  無料記事
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TPP/脱グローバリゼーション

日本国民であることが恥ずかしいような… 反TPP…思いつくままに  若槻武行

 衆院TPP特別委員会の審議は、あきれるばかりだ。野党の質問は事前に通告してあっても、大臣らの答弁は実に無内容で、問題のはぐらかし、繰返し、時間稼ぎ……。見聞に堪えない(この欄で書くほどの内容がない)。 
 
 与党議員や閣僚の中には、TPPが如何に弊害が多いか、解っている者多いはず。でも、安倍執行部には逆らえない。答弁もいい加減にのらろくらりで、質問時間が終るのを待つ。 
 野党はイラつき、どうせまともな回答はないと、あきらめ、質問時間を大幅に超えてまでの追及はやめてしまう。 
 
 一方、与党議員にとっても、退屈さは耐えられないだろう。「早くやめろ、面倒だ、まだ強行採決できないか…」が本音だろう。彼らの間で、この禁句が平気で語られている。だから、大臣までもが、ついつい口に出してしまう。秘書たちの水面下の本音発言もある。 
 
 これが日本の「最高機関」たる国会や内閣の実態だ。外国の友人、特に日系人であることを誇りにしている南米の移住者たちに対して、恥ずかしくなる。 
 
 ばかげていて、情けなく、闘う気力も失せようとしているが、「これが奴らの狙いだ」と自分に言い聞かせ、奮い立たせるしかない……。 
 
■ 与党の「採決ありき」の日程。審議は全くやる気なし。 
 
  先週から今週にかけて、再び国会審議は不正常な状態に。 
 
▼ 地方公聴会は24日に決められたものの、野党からの反発で26日(水)に。選ばれた開催地は北海道・札幌市と宮崎県高千穂町の2か所。特に高千穂町は交通の便が悪い……。札幌では、TPP反対の農民・消費者・市民が、「TPP批准阻止」「十分な審議を尽くして!」などのアピールし、会場前でのアクションを予定している。 
 
▼ 国会審議はTPP特別委員会の議事運営の横暴に抗議した民進・共産党がが、21日、25日委員会を退席、与党のみで参考人質疑を行なうも、いつもどおり実質審議はほとんどなし。 
「28日に採決」との報道もある。地方公聴会後の26日には、普通まとめの質疑や中央公聴会も開催されるのが、そも無視して、月内に強行採決を目指している。 
 
▼ 26日、札幌と宮崎で公聴会 〜抗議の声を! 
 <札幌会場> 10月26日(水)13:15〜15:35 京王プラザホテル 10:00〜 ホテル前で抗議行動  16:00〜18:00 報告会:TKP札幌ホワイトビル6F。 
 <宮崎会場> 10月26日(水)13:00〜15:00 ゆめゆめプラザ-TAC。千穂町三田井33-5 抗議行動は会場前にて昼ごろ〜終了時間。 
 
 
■ TPPを批准させない!水曜日行動 
10月26日 18時半〜19時半 衆院第二議員会館・第一会議室。抗議行動と報告・意見交換 
  11月2日(衆院第二議員会館・多目的会議室)、9日(衆院第一議員会館・大会議室)、16日(衆院第二議員会館・多目的会議室)、30日(衆院第二議員会館・第一会議室)まで予定。 
 
■ 10/28 国会議員会館前座り込み 
  「TPPを批准させない!全国共同行動」は「なんとしてもこの国会での批准を止めよう!」の思いを受けて、強行採決が見込まれる10月28日(金)に全国からの結集で、座り込みを呼びかけている。 
  10月28日(金)10時〜衆議院第2議員会館前を中心に。 
 
■ 大阪でも、ストップ!TPP緊急行動 御堂筋大パレード 
  日時:10月29日(土) 14:00〜集会 15:15〜パレード出発 
  場所:靱公園・東園(地下鉄「本町」28出口徒歩約5分 
 
■ 【一言】商社や投資家に有利、決まった協定は変更できない 
 TPPには「ISD(投資家対国家間の紛争解決条項)」という実に不公平な取り決めがある。貿易商社や投資家側が相手国側の法律や政令などによって「不利益が生じた」と判断すれば、相手国政府を訴えて裁判を起こすことができる。 
 紛争の裁定は国際司法裁判所ではなく、その都度「仲裁人」を選んで行う。原告の「外国資本」側が1人、被告側が1人、両者の合意でもう1人を裁判長とするのだが、決まらない場合は、世界銀行総裁が指名する。 
 裁定・仲裁は1回で終わる。終われば解散する。上訴はできない。だれにも責任を負わなくても良い。外国投資家・企業が有利となり、被投資国、輸入国の政府以上の力を持つことになる。 
 TPPでは、ひとたび合意した内容は、不利益が判明しても、新たに不都合が生じても、取り消すとか変更はできない「ラチェット規定」がある。「貿易規制を緩和し過ぎたので、変更したい」「日本の食糧の安全保障を第1に考えたい」と言っても、後には戻せないのだ。 
 TPPは国際条約として、国内の法律より優先される。日本の立法、司法、行政も、TPPに拘束される。日本の環境とか安全を守る法律より優先するのだ。日本国憲法でさえ、相手国の主張で変えられかねない。よく言われる例だが、憲法の「健康で文化的な生活を営む」基本的人権は、「外国投資家の利益を害さない範囲」に限定される。 
 
(食と農・環境フリーライター) 


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