2017年08月06日13時57分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201708061357310
【西サハラ最新情報】 学ぶ西サハラ難民、学ばないのは？ 平田伊都子
熱い8月6日原爆の日を、どう過ごされましたか？
サハラ砂漠の難民キャンプで生まれた子供たちには、9月に入ってもまだ夏休みが続きます。 新学期は10月に始まりますが、平均気温は45度を下りません。 暑さと闘う西サハラ難民の子供たちに、毎夏、ヨーロッパの西サハラ支援団体が、期間限定、員数限定の無料ホームステイをプレゼントしています。 難民の子供たちは恒常的栄養失調で歯もボロボロだが、やたら元気で力が強い。砂漠野糞の習慣も残っているし、ホームステイを引き受けた家庭は大変だなあ〜〜！ それでも10年間、事故もなく、＜子供平和大使＞は地中海を越えて、ヨーロッパに渡っています。 一方、難民の若い衆は夏期大学で勉強します。 学ぶ西サハラ難民の夏の成果を、報告します。
（1）パレスチナの子供たちと一緒にバカンス、8月2日〜8月23日：
8月2日、フランスのヴィトリ・シュル・セーヌ市で、西サハラ砂漠難民の子供たちとパレスチナ・ジェリコの子供たちを歓迎するパーティーが開かれた。ヴィトリ・シュル・セーヌ市長で合同歓迎会主催者のソニア・ゲニネ夫人は、「子供たちの笑顔に再会できて、受け入れる私たちは、本当に誇らしく嬉しく思う。占領下で夫々が辛い思いをしている、パレスチナと西サハラの子供たちは、私たちヴィトリ住民にとって、文字通り＜子供平和大使＞だ。バンザイ！」と、挨拶した。死海沿岸にあるパレスチナのジェリコも、夏の平均気温は47度ある。「暑さにも貧乏にも負けてられないよね！」と、西サハラ難民の子がパレスチナの子供たちにエールを送った。「私たちは、お爺ちゃんの若い時からず~っとイスラエル占領運に虐められてんだよ！でも、負けない！！」と、パレスチナの子供たちはエールを返した。西サハラ難民の子らは、パレスチナの子供たちから占領に負けない精神を学んだ。
8月3日から3週間、パレスチナの子供たちはメオドルで、西サハラ難民の子供たちはダンケルクでホームステイ・バカンスを楽しむ。
（2）西サハラ難民＜子供平和大使＞、イタリア国会に登院：
2017年8月2日、イタリア各地でホームステイ・バカンスを終えた西サハラ難民の子供たちは、首都ローマに集結した。そして、向かった先は、イタリア国会議事堂！これが大人だったら、なんだかんだと難癖をつけられて門前払いを食らうのだが、子供たちの前には壁がない。国会副議長マリア・セレニを始めとする数人の議員や報道陣から大歓迎を受けた。国会副議長は、「国会の場で西サハラの大義を共有できるのは、素晴らしいことだ。自由に向けて闘い続ける西サハラ人民に敬意を表したい。西サハラの子供たちが、将来、祖国でより良い生活を楽しめることを祈って止まない」と、付け加えた。
西サハラ難民の子供たちは、やる気になれば物事は達成できるという不屈の精神を学んだ。西サハラ難民の子等は立派に＜子供平和大使＞の務めを果たし、見事に有終の美を飾ったのである。
（1） 西サハラ難民夏期大学：
西サハラ難民キャンプの若者たちはうんざりしている。西サハラ難民アリたちは、時計が止まった灼熱の難民キャンプ・テントで、不貞寝するしかないのだろうか？、、
すが目で西サハラ難民政府幹部を見る若者たちに危機を感じた難民政府は、若者たちのガス抜きのために2009年から＜夏期大学＞を始めた。西サハラ難民政府幹部やアルジェリア政府要人やAUアフリカ連合重鎮などが、＜アフリカ最後の植民地・西ハラ＞の独立運動に関して支援演説をする。独立運動の士気を維持するための若者対策だ。
2017年の＜夏期大学＞は、8月の初旬に2週間、アルジェリアのブメルデスで開かれる。主催は西サハラ難民政府・ポリサリオ戦線、スポンサーはアルジェリア政府で、モロッコスローガンは＜モロッコ占領抑圧政策、麻薬密輸、テロに反対＞と掲げた。約400人の参加者に加え、50人の西サハラ活動家がモロッコ占領地・西サハラから、モロッコの妨害にめげず飛んでくる。
＜夏期大学＞では、政治活動、文化活動、イスラム活動、モロッコによる西サハラ天然資源の盗掘や密漁、加えてアルジェリア独立運動史などなどが、幅広く学ばれる。
さて、今度は、面倒を見たヨーロッパ家族の番です。 ホストの家族は、自身の子供たちを西サハラ難民キャンプに送ります。 ヨーロッパの子供たちは、砂漠サバイバル・バカンスを楽しみながら学びます。 題して、＜交換ホームステイ＞。 子供たち自身による双方の生活体験で、お互いの文化や考え方を学び、お互いを理解し、家族同士の付き合いが広まっていきます。
今日は原爆記念日、一体私たちはこの恐ろしい体験から何を学んだんでしょうか？
反省あるのみです。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長：川名敏之 201７年8月6日
SJJA（サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション）代表：平田伊都子
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。