2018年06月29日00時56分掲載  無料記事
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文化

ロシアの注目のバンド "Otava Yo " ( Отава Ё , オタヴァ・ヨ )が初めての来日コンサート   

  1年前に日刊ベリタにロシアのバンドに関する記事を記したことがありました。ロシアの伝統音楽を蘇生させ独特のビデオを作っている注目のバンド "Otava Yo " (オタヴァ・ヨ)です。ちょうど、ニューヨークのインディフィルムフェスティヴァル( NYC Indie Film Awards)で最高賞のダイアモンド賞を受賞しましたので記事を書いたのですが、ユーモアあり、ペーソスあり、切れのいい音楽あり、で見た人はきっと魅了されてしまうでしょう。 
 
  下のリンクの4分40秒のビデオもシュールな物語。青年がバスに乗り込んだら美女が後から乗り込んできます。いささか謎めいた彼女に魅せられた青年が何とか彼女の傍の席に移ろうとしたら次々と邪魔な男女が乗り込んできて様々な珍騒動がつづられます。バスは都会から田舎へ、森へ。そして謎の美女がバスを降りた後も後ろをつけていくと・・・青年の様々な妄想力とシュールな結末に魅せられてしまいました。 
https://www.youtube.com/watch?v=nqfrljOcUIo 
 このビデオでは明らかにロシアの郷土、森や川などへの思いがあふれており、それは恐らくすべてを利益と効率で測る90年代以降の資本主義社会への変化の中で忘れられていったものであるのではないか、などと想像しました。オタヴァ・ヨは2003年に行ったサンクトペテルブルクでの路上演奏から出発したそうです。 
 
  記事を書いてからから1年目のこの日、6人組のバンドが来日し、東京で初めてのコンサートを行いました。ワールドミュージックのコンサートを制作しているHarmony Fieldsの方が僕の記事に偶然目をとめてくださり、このバンドに魅了され、ここに日本公演が実現したということです。Youtubeでなく、実物のオタヴァ・ヨの音楽を観て聴いて改めて感じたのは音楽が体の芯から隅々まで染みわたっている人たちだということでした。Otava Yo はバイオリン2人、バグパイプ、ドラム、ギター2人といった構成です。楽器からもうかがえるように、ロシアの農村における祝祭で奏でられてきた伝統音楽が基盤にあるような印象を受けました。それは極めてロシア的でありながら、意外にも西部劇などで見かけるアメリカの伝統音楽にも通じるものがあります。しかし、その歩みは簡単ではなく、現代に伝統を生かすために非常に時間をかけて試行錯誤してきたことが次の話からうかがえます。過去に向けて、そして地域や民族に閉ざすのではなく、伝統を生かしながらも世界に開いていく音楽への道です。 
 
アレクセイ・ベルキン 「僕たちが歌っている曲は大半がロシアの民族音楽なんです。少しだけ例外もありますが。僕らは伝統音楽が好きなんです。それらの音楽は刺激を与えてくれるので、僕らはそれに新鮮な音楽性を加えて、博物館の陳列品みたいなものとは違った現代に生きるものにしたかったんです。どの曲にもかなりの時間をかけて作り込んできました。時には曲づくりを中断してしばらくしてまた再開する、ということもあります。たとえば7年間中断して再開したケースがありました。僕らは編曲においては絶対に妥協したくないんです。僕らがもうこれでいい、と気に入るまで作業を続けています。」 
 
  彼らの音楽性が日本の聴衆と共振できたのがわかりました。伝統音楽を博物館から解き放ち、現代に蘇生させることに成功しています。アレクセイさんは舞台での挨拶で結成15周年の今年、念願の日本公演ができたことを大変喜んでいます、と日本の聴衆に語りました。このあと、関西や西日本で公演を行い、再び東京に戻ってくるとの話でした。 
 
 
■ロシアの伝統音楽を蘇生させ独特のビデオを作っている注目のバンド "Otava Yo " ( Отава Ё )  ニューヨークの映画祭で最高賞を受賞 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201706291205424 


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