2019年08月15日14時20分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】  大巡礼、犠牲祭、TICAD7は着々か?  平田伊都子

 8月初め、お金と暇があるイスラム教徒は、サウジアラビアのメッカに向けて巡礼をしました。 アフリカ大陸からも多数の巡礼者が飛行機でメッカに飛びました。 ところが、4人のケニヤ人は自転車を漕いだのです。 ケニヤからサウジアラビアまで、3,500キロあります。 4人は巡礼に出発するまで体力作りをし、1か月以上かけて祈願を成就しました。 4人の雄姿をご覧になりたい方は、BBC英国TVにアクセスしてみてください。 
 
2019年の大巡礼と犠牲祭: 
イスラム歴の第12月は巡礼月と呼ばれ、巡礼月8日から13日ごろまで、メッカやその周辺で大巡礼の儀式に参加する。太陰暦のイスラム歴は太陽暦の西洋歴とは一年に約11日のずれがあるから、今年の巡礼月12月は西洋歴で8月にあたる。巡礼月の10日、巡礼者は大きな壁に向け、7つの小石を投げ、その後で、一匹の動物を犠牲にする。そして巡礼者は、髭を剃り、白い布・イフラームの服装から解放される。髭を剃るという行為は、再生の象徴であると同時に、巡礼を完了したことによって巡礼者の罪が一掃されたことになる。 
2019年の犠牲祭(イード・アルアドハー)は巡礼最終日の11日から14日まで4日間にわたって行なわれた。犠牲祭はイスラム教最大の行事で、その名が示すように動物を1匹、犠牲にしなければならない。祭りの謂れは、預言者イブラーヒーム(アブラハム)が息子のイスマーイール(イシュマエル)をアッラー神への生贄として殺そうとした時、アッラー神が息子の代わりに動物を犠牲にしろと言われたことにあるそうだ。 
 犠牲の動物は羊、ヤギ、牛、ラクダに限られるそうだが、圧倒的に羊が多い。羊は6カ月以上で、健康でなければならない。肉の売買は厳禁で、肉は3等分され、3分の1は家族で食べ、3分の1は親族に配り、3分の1は貧者に配る。8月12日、モロッコ国王モハンマド裟い宗教指導者と共に、ナイフで羊を捌く写真が、モロッコ紙を飾った。 
 羊さん受難の時、それが犠牲祭だ。 
 
➁ 世界的休日の中、TICAD7は着々??: 
 イスラム世界は犠牲祭で、欧米世界はサマーバカンスで、日本はお盆で、世界的に休日の中、TICAD7に向けて日時は着々と経過していく、、 
 8月9日、NHK が「アフリカの現地でも会議のねらいや意義をアピールする活動が本格化しています。TICADは日本のアフリカ外交の柱となっている国際会議で、7回目となる今回は、8月28日から3日間の日程で横浜市で開かれ、アフリカの54か国の首脳などが参加する予定です。南アフリカの首都プレトリアの日本大使公邸で、8日、南アフリカに駐在するアフリカ諸国の大使らを招いて説明会が開かれました」と、報じた。54か国に西サハラが含まれているかどうかは明らかにしていない。写真で見る限り、集まった大使は10人足らずだ。さらに、NHKは、「日本大使館では、来週(8月13日に始まる週)も説明会を開くなどアピール活動を本格化させていて、<地球最後の巨大市場>とも呼ばれるアフリカに欧米や中国が積極的に関与を深める中、TICADをきっかけに、日本がどこまで存在感を示せるかが問われます」と、結んだ。 
 8月9日、MWN(モロッコ世界ニュース)が、「駐ラバト花谷卓治日本大使が、西サハラ問題解決には国連指導の作業を日本は変わらず支持する、と話した。8月8日、モロッコ下院議員ハビーブ・エルマリとの会談で、彼は日本の西サハラに関する立場は国連主導とモロッコ地方自治案だと、表明した。そして、その立ち位置は揺るぎなく不変だと語った」と、報じている。モロッコの地方自治案を認めることは、西サハラはモロッコ領土であると、国連決議に反して承認することになる。そしてMWN(モロッコ世界ニュース)は、「昨年12月にラバトを訪れた河野太郎外務大臣が、西サハラにおける分離主義者前線を認めることは絶対にありえないと、言った」と、強調した。そして、「日本のように、アメリカやフランスを始め、伝統的にポリサリオ西サハラ支持の国までもがモロッコ地方自治案を支持している」と、西サハラは朕の物と主張するモロッコ国王モハンマド裟い法忖度した。 
 
➂ アメリカ人記者の記事をアメリカ政府表明と変換するモロッコ: 
 モロッコの情報操作は楽ちんだ。モロッコ国王が喜ぶ発言は、全てマル。信ぴょう性も問わないし、裏を取る必要もない。今、モロッコ国王自ら、モロッコが捏造しようとしているキャンペーンは、「♠アメリカ政権はモロッコの地方自治案=モロッコのサハラ領有権を支持!」だ。そして、「♠米大統領をジョン・ボルトンから引き離せ!!」とくる。ジョン・ボルトン米国安全保障大統領補佐官は、西サハラ民族自決行使となる国連西サハラ人民投票を支持し、その施行を強く促している。 
 8月11日、MAP(モロッコ国営通信)が、ウオール・ストリート・ジャーナルに寄稿した米国人ディオン・ニッセンボウムの記事を引用し、歪曲解釈して「アメリカ合衆国は明確にした。新しいアフリカの国を創設する計画に、ワシントン政府は反対していると、、」と、発表した。さらにMAP(モロッコ国営通信)は、「アメリカは、モロッコの主張する案(地方自治案=モロッコ領有権)こそ西サハラ解決に相応しいと考えている」と、拡大解釈している。が、ディオン記者の記事は、モロッコ外務省管轄下のDGED(モロッコ研修報告指導局)が招待したモロッコ訪問の後に書いたものだ。MAP(モロッコ国営通信)は、いつものように都合のいい展開をして、モロッコ外務大臣の見解で記事を締めくくっている。モロッコ外務大臣はモロッコの西サハラ領有権を主張し。かくして米国人ディオン記者は、「モロッコ領有権を♠アメリカ政権が認めた」と、書いたことにされてしまった。 
 
 モロッコとお付き合いのある方、モロッコにお気を付けください。 
 モロッコからご招待があったら、その真意を考えてみましょう、、 
 ただより高いものはありません。 
 
 
Youtubeに2018年7月にアップした「人民投票」(Referendum)をご案内します。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2019年8月15日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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