2019年10月12日22時36分掲載  無料記事
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文化

富田克也監督と空族の「ONE MEKONG」 破天荒なインドシナ半島の冒険行

  「典座」「バンコクナイツ」「サウダーヂ」など、日本とアジアの関係を軸に斬新な映画を丹念に作ってきた映画制作グループの空族と富田克也監督たちが、YouTubeにUPした映像シリーズ作品があります。それが「ONE MEKONG」で、20分前後で1話になっていて、5回シリーズに分けられています。同じく空族で脚本家でもある相澤虎之助氏も参加しています。 
 
  今回の舞台もタイからラオスそしてカンボジア国境地域まで、日本の中年の男たちが旅をする話です。日本から製作資金(あるいは活動再開の資金)を持参した音楽プロデューサーらしい男が、タイで仲間の男たち数人と5年ぶりの再会を果たす。「スティルイチミヤ」という名前のグループです。日本で活動ができなくなってタイに5年間、潜伏していたらしい。しかし、プロデューサーの登場でいよいよ「製作」か、と思いきや、みんなでフカヒレスープを堪能したり、レコード店でレコードを山のように買ったり、お守りを買ったり、つけを払ったり・・・と彼らに製作資金をたかられているとしか見えません。 
 
  とはいえ、この音楽が旅を通して、極上の味を見せていくのです。タイ東北部イサーンの歌手たちとの歌と踊りのシーンなどは圧巻の魅力でした。こういう日本人が出てくる映画は筆者は日本映画で今まで見たことがありません。話の展開が先が全然読めないところもいつもながら、空族の映画の魅力です。 
 
 
※「ONE MEKONG」第一話 
https://www.youtube.com/watch?v=qRoV_6LfIkU 


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