2020年10月06日21時25分掲載  無料記事
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日本学術会議への人事介入を強行した菅政権〜市民団体が官邸前抗議を実施〜

 10月1日、発足から1ヶ月足らずの菅政権が、学者の国会とも言われる日本学術会議の新会員候補6名の任命を拒否したことについて、各界から批判の声が相次いでいる。これについて、立憲民主党の枝野代表は4日、任命拒否は「明確な違法行為だ」として、菅首相に国会で説明責任を果たすよう強く求めている。 
 
 このような状況を受け、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」(総がかり行動)は10月6日、首相官邸前(千代田区)に約700人の市民を集め、緊急行動「#日本学術会議への人事介入に抗議する#1006官邸前緊急行動」を実施した。同行動には、立憲野党の国会議員らも駆けつけ、連帯の挨拶を行った。 
 
 その際、立憲民主党の黒岩宇洋衆院議員は、「過去の政府答弁では推薦された人を全て任命するとされているが、今回政府はこれに反して拒否権を行使した」と指摘し、「政府が学問の自由にまで踏み込むのは憲法違反だ」と訴えた。日本共産党の井上哲士参院議員は「政府は学問の分野まで私物化しようとしている」とし、「まさに学術会議全体を政府の意のままになる組織にするつもりだ」と懸念を示した。 
 
 また、首相から任命拒否を受けたメンバーの1人である小沢隆一氏(東京慈恵会医科大教授)は、今回の任命拒否について、「これは私たちだけの問題ではなく、日本の学術、国民全体の問題だ」とし、「これから国会で追及していただきたい」と立憲野党に早急な対応を求めた。 
 
 なお同日、衆議院第一議員会館(千代田区)において、大学教授らで構成される「立憲デモクラシーの会」による記者会見が行われ、緊急声明〈菅義偉首相による日本学術会議会員の任命に関する声明〉が発表された。同声明については、以下のURLを参照されたい。 
https://constitutionaldemocracyjapan.tumblr.com/ 
 
 菅首相は5日、記者団のインタビューに際し、今回の任命拒否について問われ、「総合的、俯瞰的活動を確保する観点から判断した」と説明した。菅政権には、噴出する国民からの疑問の声に対する説明責任が求められている。 


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