2023年09月19日23時53分掲載  無料記事
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経済

ウラン価格が国際市場で高騰〜12年間で最高(FT報道)

  原発の原料であるウランが12年ぶりに高騰しているとされ、この12年ぶりというのは福島の原発事故のようです。ウランの高騰には複数の背景があるとフィナンシャル・タイムズには書かれていますが、今年ニジェールで起きた軍事クーデターも要因とのこと。ニジェールはアフリカの北西部の国で、フランスの影響力のあるところですが、そこにロシアの勢力が影響力を増してきたことが報道されています。とはいえ、ニジェールの生産量は全体の4%程度です。高騰の要因にはウクライナの戦争でロシア産ガスが欧州で使えなくなっていることや、地球温暖化対策で原子力発電に再投資がなされていることなどが挙げられています。 
 
  今、世界で最大のウラン生産量を誇る国はロシアの隣国・カザフスタンです。突出して多く、昨年の統計では、2位のカナダの3倍に達しています。 
 
  World Nuclear Association※によると、昨年世界最大の生産量はカザフスタンで、21,227トン、2位はカナダで7351トン、3位はナミビアで5613トン、4位はオーストラリアで4553トン、5位はウズベキスタンで3300トン、6位はロシアで2508トン、7位はニジェールで2020トン、8位は中国で1700トン、9位はインドで600トン、10位は南アで200トン、11位がウクライナで100トン、11位が米国で75トンです。 
 
  一方、埋蔵量ということでは2021年で、1位がオーストラリアで世界の28%、2位がカザフスタンの13%、3位がカナダの10%、4位がロシアの8%、5位がナミビアの8%、6位が南アの5%、7位がニジェールの5%です。 
 
※World Nuclear Associationのウランの生産量と埋蔵量などのデータ 
https://world-nuclear.org/information-library/nuclear-fuel-cycle/mining-of-uranium/world-uranium-mining-production.aspx 
 
 
●2022年カザフスタン騒擾――国際関係の視点から見えてくる「プーチンが引いた境界線」(ジェトロ 「世界を見る眼」) 
https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Eyes/2022/ISQ202220_005.html 
「騒擾鎮圧の過程でCSTOの枠組みを用いて軍事介入したのがロシアであった。介入の枠組みないし方法論を成したCSTOは、ロシア主導による集団防衛を目的とした組織(湯浅 2013)、というのが一般の理解である。ソ連崩壊から間もない1992年にロシアおよび複数の旧ソ連諸国との間に結ばれた「集団安全保障条約」を基に、2002年に地域機構という形で発足した。2022年2月現在でロシアのほか、ベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギスおよびタジキスタンが加盟しており、中央アジア諸国のうち、永世中立を宣言しているトルクメニスタンや、自立志向の強い外交方針を長らく維持してきたウズベキスタンは加盟していない(ウズベキスタンは2006〜2012年にかけて一時的に加盟)」 
 
●ニジェールなど軍政3カ国が安保協定 「集団防衛」規定 
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB170VT0X10C23A9000000/ 


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