2025年08月10日19時25分掲載  無料記事
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文化

【山里から�─杣淒�の夏 農家の嫁になって50年コメを作ってきたけど、これでお終いかも  西沢江美子

戦後80年の夏、灼熱の日本列島。テレビの天気予報に映し出される日本列島は、真っ赤に火を吹いているようだ。田は干上がり、里芋もネギも枯れ、すべの野菜、果物は、高熱に焼かれている。水をかける高齢農民も熱中症寸前。ダムの水も底をつき、天を仰いで雨乞いをするしかない。 
 
なぜここまで異常になったのか、異常ではなく、これが平常になったのか。 
「大変な夏になる」話は、五月の連休頃から情報が入っていた。「農作物は何がなくても、水が一番、いくら肥料をやったって、水不足だったら、ろくなものがならない、その水が今年は不足しそうだ」 
 
農家の嫁になって、50年になるという新潟県上越市のAさんは田植えを終えて、ほっとしたのか、こんな書き出しの封書をくれた。具体的に水不足になりそうだということは分からないが、50年も田んぼの田んぼとの付き合い、周りの山や川、そして、今年の苗の様子から心配なのだという。 
 
稲、田んぼと一体で50年米を作ってきたAさんの感覚が当たらないことを祈ります。私は返事で書いた。 
もう一人は、岩田県花巻市のB子さん。干上がった田んぼを前に、「天は私にいい加減で百姓をやめろと言っている、だか私は言った。77歳の高齢女性の生きる糧と生き甲斐をタダで奪うのか、私が何悪いことをしたって。でも今年の米は終わり」と電話してきた。 
「稲穂は白い花を始めている。しかし、葉先は白茶け、葉全体がよじれている、もう雨が降っても間に合わない」。50年来の付き合いのB子さんは、これまで一度も泣き言を言ったことがない。私の一生もこれで終わりよと結んだ 
底をついていた農業用水池に給水車から水を流し入れる演出をご丁寧にしてみせる農水大臣。田んぼの歴史の中で、給水所を連れて来て水を入れて見せたのは初めてだろう。早速SNSに投稿があった。 
 
水100t入水して深さ1センチにできる田んぼの面積は1h。これでは焼け石に水だから、5センチにするには500tの水がいる。農水大臣がこの日給水車を引連れて訪れた南魚沼市では販売目的の水田は5800hある。全国から大型給水車を集め、南魚沼を占拠してもおっつかない。テレビにはこのパフォーマンスに拍手するお連れのお役人衆、握手させられる地元農民の姿が写っていた。 


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