2007年03月12日17時46分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第38回:「慰安婦」問題にみる安倍首相の美事な鈍感力

 小泉首相に「鈍感力で行け」とアドバイスされたからでもないだろうが、安倍首相の鈍感力には呆れた。先の戦争で日本軍の兵士の性欲を発散させるための相手として苦役を強いられた女性たち、いわゆる「従軍慰安婦」問題に対する首相の発言が物議をかもしている。1993年の慰安婦への謝罪と反省を表明した「河野談話」の中でも、軍の関与は認めていた。だが今回、首相が、軍は直接的な強制連行などはしていないと、姑息なことを言い出したのだ。これに対し当然、韓国も中国も反発、米紙NYタイムズは改めて元慰安婦の証言を載せ、「慰安婦問題」の非人道性を訴えた。安倍首相の本音としては、すべては民間業者がやったこと、誇り高き日本軍がそんな破廉恥なことはやっていないとしたいのだろう。かつて「河野談話」を批判し「慰安婦」が教科書に載ることに猛反対した議員グループの先頭に立っていた安倍さんだ。慰安婦にされた女性の痛み、苦しみを、鋭敏に感じ取り、そして、そんな制度を作ることをよしとした侵略戦争を始めた日本帝国、その軍隊、そんな歴史への想像力を巡らすならば、この問題の本質が分かるはずだ。安倍首相のそんな「美事な鈍感力」では、「美しい国」のトップをとてもまかすわけにはいかない。(橋本勝) 


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