2007年04月09日15時15分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第42回:ブッシュは最高、最悪のスタンダップ・コメディアン

  米国にスタンダップ・コメディという芸がある。日本風に言えば漫談。1人で立っておしゃべりするもので、結構人気がある。米国の映画スターには、ウディ・アレン、ロビン・ウイリアムスなど、この芸の出身者も多い。単なるお笑い芸に終わらない鋭い風刺性をもったものもあり、過激な毒舌で50年代から60年代はじめに活躍したレニー・ブルースは、その代表的な芸人である。 
 
 先日、テレビの米国政界のこぼれ話的ニュースで、ブッシュがラジオ・テレビ記者のパーティで自虐ネタのトークで大ウケというのを見た。それは「我が生涯最良の日々」ということで、支持率が30%になったとか、副大統領が狩猟のときに友人を誤って撃ち殺した、なんてことをしゃべって大爆笑をとったというもの。こんな一国のトップともあろう者が、自分を笑い者にするトークをするなんて、さすが米国の民主主義はすごいと妙に関心してしまった。あの無邪気で楽天的な顔でキツイことを言うブッシュは、スタンダップ・コメディアンに向いているのかもしれない。 
 
 それにしても彼が大統領になってからのいろいろな言動を思い出すと、笑ってしまうようなものが多い。イラクに大量破壊兵器がある、フセインはアルカイダの黒幕とかのウソ発言、それに「悪の枢軸」「ならずもの国家」という過激発言。これらが芸人のトークの次元で終われば冗談ですむが、これで米国は戦争に突き進む。そして多くの人が犠牲になり、世界に混乱をもたらしている。 
 
 ブッシュよ。任期いっぱい大統領をつとめるなんてことは止め、さっさと引退し、本物のスタンダップ・コメディアンになり、全米各地をどさ回り興行して回ったらいかが。(橋本勝) 


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