2007年08月20日20時53分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第61回:安倍首相、インドの奇跡

参院選に大惨敗し、死に体と言われながらも、首相の座にしがみつく安倍さんに起死回生のプランを提案したい。8月19日からの外遊で、首相はインドを訪問するが、その際、東京裁判で判事を務めたパル氏の遺族に会う予定である。パル氏は東京裁判の被告全員の無罪を主張した唯一の判事である。そういうわけでパル氏は、大東亜戦争を肯定したい人たちにとっては大変評判のいい人である。危うくA級戦犯にされかかった岸信介の孫である安倍首相にとっても、パル氏は敬愛する人物である。だが、パル氏の主張を注意深くとらえなおせば分かるが、氏は日本の「侵略戦争」を肯定しているわけではない。法学者の立場から、東京裁判の正当性に異議を唱えたのである。そして氏は戦争を憎み、平和な世界を希求する人であった。それはパル氏が尊敬する人が、インドの生んだ非暴力主義者、マハトマ・ガンジーであったことからも分かる。そのガンジーの非暴力主義を、国として宣言したのが、日本の憲法第9条と言える。安倍首相よ、せっかくインドを訪問したのだから、ガンジー記念館を訪ね、ガンジーの非暴力主義に思いをめぐらしてほしい……。そしてごりごりの改憲論者であった安倍氏が大きく変わることに。彼は真の世界平和を実現するための政治家として再出発することになる。真夏の夜の夢というなかれ、まさにインドの奇跡なのである。(橋本勝) 


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