2007年12月10日21時12分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第77回:21世紀、歴史は逆行し、人間はますます退化している

 20世紀を深く反省した人間は、21世紀をもうちょっとましな世紀にすると思っていた。21世紀も8年目を迎える今、世界は決していい方向に向かっているとは思えない。「9・11」に逆上したブッシュ米国の暴走ぶりは最悪だが、他にも世界は深刻な問題が山積みである。 
 
 ロシアでは旧ソ連の一党独裁の時代に逆戻りしたようなブーチン独裁体制が敷かれ、政敵やジャーナリストの弾圧、暗殺がおこなわれている。そして人権が蹂躙された20世紀の暗黒の歴史を繰り返すような蛮行、愚行がいたるところでおこなわれているミャンマー、パキスタン、北朝鮮、中東、アフリカの国々……と数え上げるときりがない。 
 
 時代の逆行ということなら日本も負けていない。安倍前首相は、戦後レジームから脱却とかを掲げ、まるで憲兵の過酷な取り調べが象徴するような戦前レジームへの回帰をはかろうとする。それは幸いなことに頓挫したが、次の福田政権はお国のためとか言っちゃって民主党との大連立をはかる。まるで戦前、戦中の大政翼賛政治の悪夢の再現となるところだった。嗚呼、愚かなる人間よ、このまま滅びの道をたどるのか。(橋本勝) 


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