2008年01月21日16時47分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第83回:2大政党制だけが民主主義じゃない

 アメリカの大統領候補指名レースがしだいに盛り上がりをみせている。アメリカはご存知のように象をシンボルとする共和党と、ロバの民主党による2大政党制。労働党と保守党のイギリスと共に民主主義政治のお手本のように考えられている。日本もこの2大政党制にしようとしている。政治改革とやらで小選挙区制を取り入れ、自民党と民主党の2大政党が政権を争う。次の総選挙で政権交代が実現の可能性もあり、2大政党制が成果をあげつつある。しかしである、私は2大政党制が民主主義にとって最良のものとはとても思えない。少数意見の尊重こそ忘れてはならない民主主義の基本原則であり、さらに21世紀の世界にとって大切なキーワードは多様性である。 
 
 たとえばアメリカだって、象党やロバ党以外にも、シロクマ党、ハト党、イルカ党、フクロウ党などの政党が確固たるモノとして存在し、それが現実政治に反映される方がはるかに健全な民主主義だと思うのである。もっとも現実のアメリカには共和、民主以外の政党はあるがあまりにミニ政党すぎて影響力をほとんど持たない。もしも小政党の少数意見が大事にされるアメリカであったら、ブッシュのような最悪の大統領は生まれなかったろうし、戦争依存症の国、極端な格差社会の国に、アメリカがなることを防げたと思うのである。 
 
 そして日本の自民党と民主党による2大政党制もそれがより完全な形となり、社民党、共産党、新社会党などが国政の場から消滅し、それらによる少数意見がまったく政治に反映されなくなった時の日本を想像すると空恐ろしくなる。(橋本勝) 


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