2008年01月28日20時14分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第84回:ギャンブル資本主義にとっては地球も人間も儲けの対象でしかない

 アメリカのサブプライムローンの破綻からはじまった株価の世界的な大暴落、鳩山兄弟が持ち株の下落で80億円の大損をしたとか、NHKの記者が株のインサイダー取引で利益をえていたことが発覚し問題化と株に関する話題が沸騰している。貧しき風刺漫画家である私にとって株など関係ない世界であるが、石油の高騰からはじまる物価の上昇が、庶民の暮らしを直撃していることを考えると無関心ではいられない、というより怒りをおぼえる。 
 
 株と言う金融資本の操作で、アッという間に巨万の富が得られる(もちろん大損することもある)。マネーゲームというギャンブル資本主義は、人間社会にとって健全なこととは思えない。株というカードをもったギャンブラーたちのゲームが、世界の人たちの暮らしを歪めているのだ。金融商品としての住宅、石油、食料などを対象としてのゲームは、決して虚構の世界で完結したりしない、人間の実生活へとつながっているのだ。 
 
 一応、共産主義に勝利したかに思える資本主義だが、その行き着く先が、地球も人間も投資の対象とするギャンブル資本主義でしかないとしたら、その未来はない。というわけで「エコマーク」にあらず「エゴマーク」を作成、彼らギャンブラーたちに捧げることにした。(橋本勝) 


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