2008年06月30日14時49分掲載  無料記事
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G8

海外来訪者に相次ぐ人権侵害 サミット人権監視弁護士ネットワークが声明

  G8サミットに向けて入管・警備当局の人権侵害事案が相次いでいる。とくに外国人に対する不当な取り扱いが目立つ。「サミット人権監視弁護士ネットワーク」(WATCH)は6月30日、「法務省入国管理局による学術関係者・メディア関係者に対する不当な入国の制限に抗議し、自由な表現・言論活動を保障することを要請します」との声明を発表、法務当局に現在の異常事態を正常に戻すよう強く要請した。この間、空港で入管によって足止めを食った外国人がどういう扱いを受けたかも次第に明らかになり、海外メディアは大きく報道しはじめている。(大野和興) 
 
 「サミット人権監視弁護士ネットワーク」が30日に発表した声明は以下のように述べている。 
 
◆WATCH声明 
 
  現在、6月30日及び7月1日に東京を中心として開催が予定されている「G8対抗国際フォーラム」に参加する海外からの学術関係者について、8割以上に当たる11名のパネラーが空港に留め置かれて長時間の尋問を受け、そのうちの数名は会議と会議の間の数日間の予定が明白ではないという理由で一旦上陸を拒否され、その 
後、予定していた期限を大幅に短縮した形で特別に上陸が許可されています。 
 
  他方、メディア関係者についても、G8サミット関連のイベントを取材するために来日する多くの海外のジャーナリストらが、同様に、特段の理由もなく、各地の空港で留め置かれ、尋問を受ける状態が続いています。 
 
  しかしながら、このような措置は、学術関係者・メディア関係者に対する不当な入国の制限であると言わざるを得ません。このことは、G8に関する多様な意見や主張の公表を制限しかねないのみならず、自由な調査研究活動や報道活動に対する萎縮的効果を及ぼすおそれがあるものです。 
 
  当ネットワークは、法務省入国管理局に対し、直ちにこのような表現・学問の自由を侵害することにつながる不当な審査を正常な審査に戻し、G8サミット期間中を含めた自由な表現及び言論活動を保障することを強く要請します。 
 
◆両腕をつかまれ、ひきづられて 
 
  サミットの取材で来日した香港のインターネットをベースにした独立系メディア「InMedia」の3人の記者の場合、成田空港の入管で16時間拘束された。別室に連れていかれたが、その際1人に対して2人の係官が彼らの両腕をつかんで、引きずっていった。 
 
  しかも16時間の間、食事の提供がなかった。翌朝、何度も訴えたところ、自費で買うことを条件に係官が買ってきた。彼らの荷物は没収され、中を調べられた。 
 
  なぜ拘束されたのか、まったく説明がないまま、洞爺湖周辺でデモをするのか、破壊活動をする予定があるのか、を繰り返し質問された。 


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