2008年07月03日16時13分掲載  無料記事
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G8

世界の先住民族の声をG8の首脳に 「先住民サミット」が開幕

  北海道洞爺湖G8サミットを1週間後に控えた7月1日、先住民族によるサミット「『先住民サミット』アイヌモシリ(リは小文字)2008」が、北海道平取町でスタートした。G8に平行して、先住民がこうした会議を開催するのははじめて。11カ国17人の先住民族と多くのアイヌ民族は、350名の参加者の前で、「いまこそ先住民族が声を上げるとき」と力強く訴えた。今後、平取町でワークショップやフィールドワークなどを体験しながら提言をまとめ、最終日の4日には札幌でそれを発表する。(札幌=木村嘉代子) 
 
 「先住民サミット」は、アイヌ民族が中心になって準備が進められ、厳しい資金状況のなか協賛金を募って実現した。 
 
 海外から訪れた先住民族は、マオリ(ニュージーランド)、コマンチ(米国)、コルディレラ(フィリピン)など11カ国からで、なかには自費で参加した人もいる。 
 
 8カ国の首脳に先住民の声を伝えるのは世界初の試みということもあり、初日には、出席者はもちろん、国内外のメディアもたくさん詰めかけた。 
 
 開会式にひきつづき、国連先住民族問題常設フォーラム議長のビクトリア・T・コープスさんが基調講演し、「原油価格の高騰で混乱した世界経済の建て直し、金融市場の安定、気候変動、食糧不足や紛争など、G8サミットで扱われるテーマは、まさに先進国が引き起こしたもの。貧しい人たちを省みない経済システムを変えなければならない。いまこそ、先住民族が声を上げて行動するときだ。先住民族にとって大切な問題について議論し、提言することで、G8諸国にインパクトを与えるべきである。先住民族権利宣言が採択された今、この宣言をどう活用し、正義を手に入れていくかが重要な課題である」と語った。 
 
 この後、14人の先住民族が自国の状況やG8サミットについてスピーチし、それぞれの思いを述べた。 
 
 「先住民に対する政策が不十分な国がほとんどで、それを解決するには、政治的意識を高めていく教育が必要だ。先住民が積極的に立ち上がり、イニシアティブをとれるようにならなくてはならない」(サーミ・ノルウェイのマグネ・オ・バシルさん) 
 
 「アジアでは、政府から認められていない先住民が多い。先住民として認められるには困難を伴うが、団結して闘うことで手に入れたのであれば、自信にもつながるはずだ。G8諸国や他の国に影響を与えるためにも、団結が重要である」(フィリピン・イゴロットのジョアン・カーリングさん) 
 
 「日本政府がアイヌを先住民族と認めたことは、アジアだけでなく、世界中の先住民にとって価値がある。日本は21世紀において模範となるべき国といえる。G8においても、他の国が見習うべきモデルになることができるはずだ」(メキシコ・ナワァのマルコス・マチアスさん) 
 
 「環境とは人間のへその緒のようなもので、すべての生物をつなげている。地球は母であり、母は具合が悪いのに、子どもたちの面倒をみようとしている。でも、母親というのは、子どものウソは見抜くことができる。環境問題について語るとき、それが本当に環境を考えたものか、単に経済的に利益を追求しているのか、母はわかっているのだ。真実で持続可能なほうを母は選ぶだろう」(マオリ・ニュージーランドのスティーブン・ケントさん) 


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