2008年08月20日19時28分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第112回:ああ、素晴らしきかな北京五輪

チベット紛争、聖火リレーの混乱、食の安全、環境汚染 
報道の規制、テロを警戒しての厳しい管理体制と 
いろいろ問題が山積みで心配された北京五輪だが 
どうやら無事終盤をむかえ 
成功のうちに幕を閉じそうである 
さらに素晴らしいのが開催国の中国選手の活躍ぶり 
金メダル争いでも、アメリカを大きく上まわる 
圧倒的獲得数!! 
連日、表彰台には中国選手があがり 
中国の国旗が掲揚され、国歌が流れる 
中国の人たちの愛国心は高まるばかり 
もっとも自国の選手の活躍に熱狂するのは 
わが日本人をはじめとして 
どこの国の人でもかわりませんが 
それにしてもこの北京五輪にかける 
中国の意気込みはすさまじい 
特に開会式でのセレモニーはすごかった 
ハイテク技術のCGを駆使しての華やかな演出と 
中国得意の人海戦術の迫力には圧倒される 
でも一糸乱れぬマスゲームにはどうしても違和感を覚えてしまう 
巨大な国家の歯車のひとこまとして人間が奉仕させられる 
マスゲームは全体主義国家の得意技だ 
その開会式の日、突然勃発したのが 
グルジアとロシアのメダル争いにあらず領土争いの 
人と人が殺しあう戦争 
強張った国家と国家が戦争をしつづけた20世紀の愚かさを 
21世紀もくり返させないためにも 
21世紀の人間は、国家から自由であっていい 
(橋本勝) 


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