2008年08月26日22時00分掲載  無料記事
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乱鬼龍の武器としての川柳

この世こそ地獄と蟹工船が売れ

  川柳作家にして中高年ワーキングプアー、乱鬼龍の折々の作品から何首かを選び、お送りする。政治、社会の風刺に止まらず、現代社会の中で不安にさいなまれ、揺れ動く個人の内面に分け入った作品は、読むものの心に迫るものがある。(大野和興) 
 
 
  朝四時起床、六時始業。終業は早くて夕方五時ごろ、遅いときは夜九時、十時になる。そんな日々が生んだ作品からいくつかを―。 
 
  午前五時苦役のドラマ今朝も明け 
 
  充電もしない戦いなら負ける 
 
  生きてゆく矛盾と死んでゆく矛盾 
 
  生きるだけ生きてみようという夕日 
 
  日本を棄てよと天の声がする 


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