2008年11月24日12時05分掲載  無料記事
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喜多幡佳秀のアジア&世界

中国・デンマーク企業が組合結成のリーダーを解雇、組合はブログの活用して真相を訴える

  山東省煙台にあるデンマーク資本のオレウルフ社(電子部品メーカー、従業員数は約100人)は労働組合を結成したリーダー6人を解雇、組合はブログを活用した創意的な運動で真相を訴え、全国的な注目を集めている。全国放送のラジオやテレビでも取り上げられ、総工会も組合の要求を支持している。他の外資系企業の労働組合とも交流し、情報交換している。(翻訳:稲垣豊) 
 
  以下は香港の「グローバリゼーション・モニター」のウェブ(中国語版)に掲載されているレポートの要約である)。 
 
  オレウルフ(煙台)電子有限公司は、香港オレウルフ・アジア投資有限公司が所有しており、本社はデンマークにある。05年末に煙台に進出、06年10月に労働者が法定最低賃金以下の賃金や劣悪な待遇を改善するために組合を結成したが、会社側は組織化の中心となった6人の労働者を解雇した。 
 
  現場労働者自身のイニシアチブで労働組合が結成されたのは、中国ではあまり例がない。組合は解雇撤回を求めて司法に訴え、6人の労働者代表の解雇は無効であるという判決を勝ち取った。 
 
  しかし会社側はこの判決を無視した。会社側の嫌がらせによって組合員は減少した。解雇された委員長代理および6名の労働者代表の生活は厳しい状況にある。再就職のために必要な書類をいまだ会社側に返還してもらえずに再就職できないものもいる。 
 
  そのような状況の下でも、労働組合は活動を堅持し、インターネットのブログで真相を公表しつづけている。08年5月にはデンマーク労働総同盟(LO)がこの問題に注目し、オレウルフの本社に労働組合を尊重するよう求める書簡を送り、労働者に連帯を表明した。LOはまた、オレウルフの取引先のダンフオス社にも働きかけ、ダンフオス社は調査を開始した。 
 
  オレウルフ労働組合は現在、以下の4つの要求を掲げて闘いを継続している。(1)労組副委員長の復職と副委員長への損害賠償、(2)解雇された労働者への損害賠償と、希望す 
る場合は原職復帰、(3)労働組合の承認と労組法に基づく組合活動費の支出、(4)法律に基づく雇用施策の実施。 
 
  香港では9月12日に、香港オレウルフ社に、労働組合の要求を受け入れるよう求める要請行動を行った。 


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