2009年02月28日00時04分掲載  無料記事
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社会

入管「次は全員収容する」 国連人権理事会が日本政府に情報提供を要請

  強制退去を命ぜられているカルデロン一家は、27日に東京入管に出頭した。幸いにも家族の収容は無かった。この日司法記者クラブで会見を行った一家と弁護士からは、国際社会の明確な関与があるが、それを無視するような動きを日本政府が見せていることが明らかにされた。(村上力) 
 
  弁護士の渡邉彰悟氏は、国連人権理事会に情報提供を行ったことを前日の記者会見で明らかにしていた。今回の記者会見では、人権理事会の特別報告官が日本政府に対して、この件についての情報提供を要請していることを外務省の関係者に確認したことを明らかにした。渡邉氏によれば、特別報告官はこの件をBBC(英国放送協会)による報道で知り、子供の権利、家族の保護という観点で問題があるとして、情報提供を要請しているという。渡邉氏は人権理事会が動いたということを26日に確認している。 
 
  しかしながら、人権理事会がこの件に関しての動きを見せているのにも関わらず、入管はそれを無視するような態度をとっている。アラン氏によれば、出頭した際「次回(3月9日)出頭するときは、どちらか(入管が13日に提案した、一家全員でフィリピンに行くか、ノリコさんのみ日本に残るかというもの。しかし、13歳のノリコさんが一人で日本に残るということなどは考えられない)に決めないと、みんな収容する」と言ったという。また、3月9日までの仮放免許可証は受け取ったものの、次回提出する仮放免申請書を渡さなかった。そうして「次回が最後だ」と念を押したようだ。次回の仮放免申請書を渡さないということは、申請もさせないということであろう。 
 
  全員の入管の収容というものは、家族に一層の苦痛を与えるものであるだろう。かつて1年3ヶ月の収容を受けているアラン氏の妻サラ氏は、会見で収容に関する質問を受けた際、言葉を詰まらせ目を伏せてしまった。渡邉氏は「サラさんはとても長く収容されていたから、それがつらいんでしょう」と話した。入管は「みんな収容」言ったというが、おそらく、ノリコさんを収容するなどということは考えられない。これは入管によるあきらかな恫喝といえよう。 
 
  こういった入管の強硬な態度に対して、渡邉氏は憤りを露にした。「人権理事会が動いたということは、法務省も承知しているはずであり、このような手段に出たことに怒りを覚える」。また、「人権理事会が動いたということに焦っての動きかもしれない」と指摘した。つまり、人権理事会が情報提供を要請しているのに対して、急いで強制退去を行おうとしているとの見方だ。 
 
  これまで一家の在留許可を求める署名は、19,733名分が提出されている。だが、日本政府は2月13日の「法相判断」に見るように、市民の在留許可を求める声を聞いていない。また、入管とのやり取りを見ると、国際社会からの関与も無視する動きを見せている。 


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