2009年12月12日11時05分掲載  無料記事
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反貧困

関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼちが生活保護を申請して逮捕・起訴されたA君支援で再度の訴え

  生活保護を申請し、その模様を記録しようとしたA君が、2ヵ月半後に逮捕・起訴された事件で、A君が所属する「関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち」が12月10日、改めて支援を訴える呼びかけを発表した。前回の11月28日の訴えでは明らかにされていなかった窓口市役所は大阪府柏原市であることが明らかにされている。(日刊ベリタ編集部) 
 
A君は無罪だ!生活保護申請に対する不当逮捕・起訴弾劾!! 
           関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち 
                           2009.12.10修正版 
 
  「生活保護の申請をさせて下さい!」と泣く泣くカメラを手にしたA君を逮捕・起訴するなんてあんまりじゃないか! 
  A君の救援活動と無罪を勝ち取るための法廷闘争へのカンパをどうか宜しくお願いします! 
 
  10月27日朝、組合員であるA君は、いきなりやってきた大阪府警によって家宅捜索をされ、職務強要罪(※)で令状逮捕されました。29日に送検、勾留延長もされ11月16日に起訴されてしまいました。 
  A君は柏原市福祉事務所から生活保護を受給していました。結果的に受給は出来ていたものの申請にあたっては大変な困難が伴った末の保護決定でした。 
 
  今年2月、ユニオンぼちぼちは世界的な金融危機以降悪化する雇用情勢の変化に伴い、生活保護の取得の仕方を学ぶための学習会を開催しました。全国各地のユニオンの共通の課題として浮上してきた問題だと思いますが、労働にまつわる相談の解決の前にまずは生活の安定が必要であり、そのための生活保護申請のノウハウを組合員間で学習しようという試みです。 
  勤務先で散々社長に罵られた挙句に不当解雇に合い、組合に相談にやってきたことがA君と組合との出会いでした。A君は労働法などを一生懸命勉強し、自分が争議の中心になって会社との交渉を行ってきました。しかし生活面は安定したものと言える状態にはなく、生活保護を申請することになりました。 
 
  ユニオンぼちぼちは、生活保護の申請時における「水際作戦」といわれる福祉事務所の対応が問題だと考えてきました。水際作戦とは、福祉事務所へ相談に訪れた人々に対し、申請用紙を渡すまえに職員が理由をつけて追い返すことにより、保護の件数を予め抑制しようという手法です。なんとか申請をして保護を受給できたとしても福祉事務所からの執拗な「指導」により保護打ち切りに合い、保護基準以下の生活を再び強いられていく人が少なくありません。北九州市においては生活保護を打ち切られた男性が「おにぎりが食べたい」と書き置きを残して餓死するなど、全国で痛ましい事件が続発しています。日弁連によると、本来なら生活保護制度を利用できる経済状態にある人々に対しての実際の支給率はわずか9〜19・7%ということです。その大きな要因として、福祉事務所による申請への違法な拒否行為が挙げられています。A君の保護申請は、こうした状況の中で行われたものでした。 
 
  本来、困った人のために相談にのり、サポートするのが仕事であるはずの柏原市福祉事務所の対応はとても冷たいものでした。そのことにA君は不安を募らせていきました。そして残念ながら、当初の保護申請は却下されてしまいました。困ったA君は再度申請を行おうとしましたが、福祉事務所は素直に取り合ってはくれません。やむにやまれず自分の部屋からビデオカメラを持ってきて、福祉事務所の職員に訴えました。「生活保護の申請をさせて下さい!」 
 
  2ヵ月半後、この時の行為が職務強要罪の容疑にあたるとされ、A君は逮捕されました。 
 
  しかし組合員が一緒に柏原市福祉事務所に話に行くと保護が支給されることが決まり、逮捕までの2ヵ月半の間A君は無事に保護生活を送っていました。逮捕の2日後、ユニオンぼちぼちの大阪事務所が家宅捜索されました。念のため付け加えておきますと、生活保護を受給する資格がないのに恐喝して違法に受給をしたという容疑ではありません。その証拠に現在も保護は廃止(取り消し)ではなく、逮捕・勾留による停止という状態になっています。職員の冷酷な対応を受け、やむにやまれずカメラを回しながら訴えたことが容疑とされているのです。その後、その映像が公開さたことはありません。 
 
  勉強熱心なA君は逮捕前、生活保護を抜け出すために国の新しく始めた職業訓練制度を使い訓練学校に通い始めていました。入学のための選考試験は簡単なものではなく、時には落ち込むこともありました。しかし何度かの不合格を乗り越え、ようやく入学することが叶ったとき、私たちは手を取り合って喜んだものです。資格取得を目指して学校に通うことはA君にとって生きる張り合いになっていました。身近で様子を見聞きしてきた私たちは、その生活がとても大切なものであるということを感じていました。しかし、ようやく安定して学校生活に通えるようになった矢先に、突然逮捕されてしまったのです。A君は無実です。逮捕・起訴・勾留によって学校生活もメチャクチャにされてしまいました。このままではA君は出席不足による退学処分になってしまいます。 
 
  私たちはA君の即時釈放を求めています。 
  そして裁判では必ずA君の無罪を勝ち取らなければなりません。 
また、この事件で有罪の判例を出させてしまったら、労働運動や社会運動においてビデオカメラを使うこと自体が抑制される恐れがあり、到底容認できるものではありません。 
  心を寄せてくださる皆様には、未曾有の失業の嵐のなか大変心苦しい限りではございますが、この闘いへのカンパを寄せて頂くようお願い致します。 
 
※職務強要罪とは、公務員に対して、「ある処分をさせる目的」、「ある処分をさせない目的」や「公務員の職を辞させる目的」のいずれかをもって、暴行または脅迫を加えるというもので、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」という重い罪です。 
 
 
〇親吋瓮奪察璽犬里願い 
 すでにメッセージをお寄せいただいておりますが、こうした声を大きくしていきたいと思います。ぜひ皆様にも、A君への応援やこの事件への思いを含めて、上記「A君は無罪だ!生活保護申請に対する不当逮捕・起訴弾劾!!」(11月28日文書)への賛同メッセージを書いていただきたくおもいます。よろしくお願いいたします。 
 
---以下切り取ってお使い下さい--- 
・「A君は無罪だ!生活保護申請に対する不当逮捕・起訴弾劾!!」に賛同します。 
・賛同団体・個人名(肩書きがあれば) 
・公表します・公表しません 
・一言メッセージなどあればお願いします 
--- 
メッセージ送付先  hogohiwoageroあっとyahoo.co.jp(あっとを@に変えてお使い下さい) 
 
▲ンパのお願い A君の救援活動と無罪を勝ち取るための法廷闘争にカンパをいただき、本当にありがとうございます。しかし、弁護士費用などのために多くのお金を集めなければなりません。まだかなり不足しております。ぜひともカンパをお願いいたします。 
 
【カンパ振込先】 
郵便振替 00900-8-263985   加入者名 ユニオンぼちぼち 
(通信欄に「A君」と記して下さい。振り込みではなく組合員に直接渡していただいても構いません) 
 
I堙勾留への抗議のハガキ・電話 
 A君は、10月27日に逮捕されて以来、23日間不当に勾留され、されに起訴後も釈放されずに勾留され続けています。保釈請求をしましたが、翌日に直ちに却下されています。却下の理由は‐攀魃L任龍欧譟↓⊂攷佑魘芝する恐れ、F亡の恐れなどの一般論で、勾留をいたずらに引き延ばすこと自体が人権侵害です。 
 
Aさんの即時釈放を求めて、不当勾留への抗議のハガキ郵送、電話をお願いします。 
 
抗議ハガキ送付先 
〒590-8511 大阪府 堺市堺区 南瓦町 2−28 
大阪地方裁判所 堺支部 刑事5係 高橋貞幹様 
電話 072-223-7001 
「柏原市福祉事務所に対する職務強要で起訴されているA君の即時釈放を求めます。いつまでも長期間にわたって身柄拘束している状態は不当です。」 
 
で雜胸圓箸い市名の公表 
これまで、A君が生活保護申請した市名を公表していませんでしたが、今後は、大阪府柏原市の福祉事務所ということを明らかにしていくことになりました。A君のプライバシーに配慮しつつも、必要な情報として公表します。 
 
【現在いただいているメッセージ】 
■赤石千衣子さん(反貧困ネットワーク) 
「柏原市の福祉事務所に生活保護申請に行ったA君が逮捕されるという事件を知り、驚きと危惧を感じています。生活保護を申請する際に書類の不備で追い返されたり、他の部署にまわされたり、説明だけで終わったりという、いわゆる「水際作戦」がまんえんしてきました。私もシングルマザーや女性が生活保護を申請するときに同行して体験してきました。 
 密室の中で、申請する権利が奪われている状況があります。それを超え、生活保護法の趣旨と憲法25条を生かすために、生活保護については同行申請や窓口での記録が行われています。今回の逮捕と支援団体への捜索について、詳しい状況はわかりませんが、こうした、生存権を守ろうとするために同行申請や記録が行われていることに対する抑止として、行ったのだとすれば、許してはなりません。 
 生活保護を申請する、人間としての権利が行使できなくなることに危惧を感じます。」 
 
■雨宮処凛さん(作家・反貧困ネットワーク副代表) 
「生活保護の水際作戦に、私たちはずっと苦しめられてきた。そして実際に多くの餓死事件や自殺事件が起こってきた。最後の最後のセーフティネットと言える生活保護の窓口で、「生きる」ために必死に自分を守ろうとするのは当然のことで、それで逮捕されてしまう社会とは、一体どういうものなのだろう。 
 「貧しき者は罰する」ような国は、すべての人にとって生きづらい国だ。 
 多くの人に声を上げてほしい。」 
 
■生田武志さん(野宿者ネットワーク代表) 
「生活保護申請の支援をしばしば行なっているわれわれにとって、この事件は見過ごすことができません。生活保護を申請しても、福祉事務所は「住所がない人は生活保護は受けられない」あるいは「50代ならまだ働きなさい」となどと言って申請者を違法に追い返し続けていました。こうした水際作戦がいまでも続いていることをわれわれは身をもって知っています。役所内で違法な行為が続いている中、生活保護の申請者が権利防衛のために記録をとったことがなぜ「違法」になるのか。違法行為を続けてきた福祉事務所こそが二重に犯罪を生み出しているのではないか。 
 A君の即時釈放を求めます。」 
 
■小野俊彦さん(フリーターユニオン福岡執行委員) 
「公務員の公務を記録するのが「恐喝」で、生活保護費の支給を求めるのが「強要」か。マスコミは基本的にはこれを無視するか警察権力の発表垂れ流し。新政権は格差社会問題に取り組み中というわけだ。反吐が出るわ!鳩に豆鉄砲顔の二世政治家が親から九億円もらったのと、生存権が警察によって破壊されていることのどっちが大問題が考えろ馬鹿野郎!私はただこの大地の上で生きる仲間たちとともにある。A君とぼちぼちを断固支持する。」 
 
■河添誠さん(首都圏青年ユニオン書記長) 
「今回の件についての詳細を聞いているわけではありませんが、私の知る限りの情報でも、警察が2ヵ月も経過してから逮捕をおこなっており、しかも、逮捕された方の所属する労働組合の事務所の家宅捜索をおこなっているということはきわめて異常だと考えます。この程度のことで逮捕・家宅捜索をする警察は横暴であるし、許すことはできません。 
 生活に困窮した人が声をあげることは当然の権利です。その最低限の権利を蹂躙する警察に抗議します。」 


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