2010年01月19日18時06分掲載  無料記事
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中南米

ハイチ債務を今すぐ帳消しに 台湾NGOが台湾政府に呼びかけ

  ハイチは世界銀行と国際通貨基金(IMF)の「重債務貧困国」リストに入っており、早くから国際的な債務帳消し運動や人道支援団体が注視してきた。それゆえ近年、世銀、米州開発銀行(IDB)、カナダ、パリクラブなどがそれぞれ債務削減を進めてきた。今回の震災の後、旧植民地宗主国のフランスは、台湾などの主要債権国に対して、早急にハイチに対する一切の債権を放棄するよう呼びかけた。(翻訳 稲垣豊) 
 
  昨年7月、パリクラブのメンバー(米、英、ドイツ、フランス、日本、ロシアなどを含む)はすでにハイチの債務の大部分を帳消しにすることに同意した。だがハイチの対外債務は依然として解消されず、現在ハイチが抱える8 億9100万ドルの対外債務のうち、IADBとIMFが半分を保有し、のこりの半分を台湾とベネズエラが保有している。先週、フランスのクリスティーヌ・ラガルド財務大臣は、台湾とベネズエラに対してハイチの債務免除を呼びかけた。 
 
  この一週間、国際メディアではハイチの対外債務に関して活発な討論が展開されており、台湾とハイチの債務関係も白日の元にさらされた。一方、台湾国内においては友邦(=数少ない国交のある)ハイチでの震災の知らせを受けて、外交部(外務省)はたった500万ドルの援助を申し出ただけであり、債務帳消しについては知らぬ存ぜぬと通し、国際的な人道精神を発揮する最初のチャンスをみすみす見逃した。 
 
  ハイチはわが国の友邦であると同時に、世界で最も貧しい国家のひとつである。2004年の一人当たりの GDPは478ドルしかなく、75%の人が赤貧状態に置かれており、打ち続く天災に悩まされ、2008年初めには世界的な食料価格の暴騰で暴動が発生し、その年の夏には四つのハリケーンが襲い農地の70%が壊滅的打撃を受けた。そして今回の震災ではマグニチュード7の強震によって10万人を超える犠牲者をだした。世界銀行の推計によると、今年のハイチのGDPは15%マイナスとなり、すでに困難を極めていた社会経済の発展の筋道に大きな影を落とすことになる。さらに債務の支払いの負担は言うに及ばないだろう。 
 
  私たちは政府に対して厳粛に提案する。台湾は、ハイチ債務の帳消しという国際社会の呼びかけに積極的に応え、即時無条件に台湾の保有するハイチの債権を放棄し、友邦の負担を軽減し、救援および復興の支援を行わなければならない。これこそ台湾が国際的に模範を示し、国交関係を安定させることのできる正しい方法である。 
 
発起団体 
(台湾)緑色陣線協会 
 
http://attackoto.blog9.fc2.com/ より。 


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