2010年01月24日07時39分掲載  無料記事
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社会

「外国人地方参政権を絶対阻止するぞ!」と気勢  右派系団体が渋谷で街宣・デモ、民主党区議も激励

  「対馬・竹島が奪われる!外国人地方参政権絶対阻止!」。1月23日、外国人地方参政権に反対する400人を越える市民らが、若者で賑わう渋谷・ハチ公前に参集していた。行動を主催したのは、「日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会」「草莽全国地方議員の会」など。一行は「外国人地方参政権で日本が外国に乗っ取られる」と渋谷で永住外国人の地方参政権付与反対を訴える街宣・ビラまきを行い、デモ行進を行った。(村上力) 
 
  この日の行動を主催したのは、「草莽全国地方議員の会」、「日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会」などの右派系団体である。これらの団体を含めた保守・右派は、一様に永住外国人の地方参政権付与に反対している。この日の行動を主催した「草莽全国地方議員の会」「チャンネル桜」などは、外国人地方参政権や人権擁護法案など、民主党の政策である13の法案を「日本解体法案(※1)」と位置づけ、反対運動を行ってきた。 
 
  彼らが外国人地方参政権に反対する理由は様々だが、この間最も強く主張されているのが、いわゆる「日本乗っ取り論」。「日本乗っ取り論」とは、対馬・竹島などの離島が、大挙して押し寄せた外国人に乗っ取られるという説で、人々に危機感をあおっている。上記の右派系団体などは、この間1千人規模のデモ・街宣を行っている。 
 
  23日の渋谷ハチ公前広場では、外国人地方参政権反対を訴える街宣・ビラまきが行われた。参加者は思い思いのメッセージを掲げ、通行人に対して「民主党はヤバイです!」などと呼びかけていた。また、出所不明のビラが配布されていた。このビラは民主党の政策を批判するものだが、例えば「移民一千万人受け入れ」に関して「外国人犯罪増加により治安悪化→安心して暮らせない日本に」というシナリオが書かれており、外国人を犯罪者扱いしている。さらに民主党が「外国人に被選挙権付与」するなどという空想が散りばめられたものであった。(※画像を参照) 
 
 この日は、東京都議会議員の土屋たかゆき氏やこいそ明氏、また港区議会議員の山本へるみ氏が、集まった参加者を激励するため、街頭演説を行った。民主党に所属する山本へるみ氏は、外国人地方参政権は日本を崩壊させてしまうと主張した。 
「国民であれば、外国人地方参政権などというとんでもない法案を許してはいけない。『将を得んとせば馬を射よ』という言葉もあるが、外国人地方参政権は地方から日本を乗っ取る法案だ。」 
「日本で参政権が欲しいのであれば、まず日本人になりなさい。しかし日本は帰化の条件が甘すぎる。帰化したいのであれば、外国人は日本国に忠誠を誓わなければならない」 
 
  デモ行進には400人を超える人々が参加し、「日本を滅ぼす外国人地方参政権を絶対阻止するぞ!」「中国・韓国に領土を与える外国人地方参政権を絶対阻止するぞ!」「対馬の住民をまもるぞ!」とシュプレヒコールをあげた。翌日の24日には、保守系市民団体で激烈な差別と排外主義の表象となっている「在日特権を許さない市民の会」も、外国人地方参政権に反対するデモ行進を新宿で行う。最近、「日の丸」が林立する「行進」が、珍しくなくなってきた。 
 
※1:中山成彬元文科大臣が中心となり、前衆議院議員の西川京子氏や、前航空幕僚長田母神俊雄氏、拓殖大学教授の荒木和博氏などの広範な保守系論客、運動団体が強く反対する民主党の政策の総称。昨年10月にこれらの政策に反対する請願が提出された。請願書の集約は中山成彬氏の事務所が行った。 


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