2010年05月31日23時14分掲載  無料記事
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イスラエル/パレスチナ

イスラエル軍強襲によるガザ救援市民船団側の死者は20人にのぼる見込み

  イスラエル海軍の特殊部隊によって強襲されたパレスチナ自治区ガザへの支援物資を運んでいたガザ救援市民船団側の死者は20人にのぼると、パレスチナのハマス(Hamas)が運営するアルアクサ(Al-Aqsa)テレビが報じた。イスラエル軍の発表によると少なくとも10人が死亡した。中東の衛星テレビ、アルジャジーラは負傷者は約30人と報じた。世界の市民が乗り込む人道支援船に多数の死傷者が出たことで、イスラエルへの国際的非難が高まるのは必至と見られる。(日刊ベリタ編集部) 
 
  6隻の船には、医療機器や建設資材などガザ地区に向けてあわせて1万トンの支援物資が積み込まれていたほか、およそ600人から700人の人権活動家が乗っていた。31日午前にガザ沿岸の封鎖海域に到達する見通しだった。 
 
  イスラエルの民放チャンネル10(channel 10)によると、攻撃したのはイスラエル海軍の特殊部隊で、船の乗客らから斧(おの)やナイフで反撃されたため発砲したという。 
 
  AFPによると、船団結成に関与したトルコの人道支援団体IHH(Foundation of Humanitarian Relief)のガザ支部は、強襲を受けたのはトルコ船籍の船で、トルコ人を中心に15人が死亡したと語った。 
 トルコ外務省はただちにイスラエル大使を呼び、強く抗議。「イスラエルの非人道的な行動を厳しく非難する」「公海上で発生し、国際法違反に相当するこの遺憾な出来事は、2国間関係に取り返しのつかない結果をもたらしかねない」とする声明を発表し。 
 
  ハマス(Hamas)が運営するアルアクサ(Al-Aqsa)テレビは、黒服のイスラエル軍兵士がヘリから船へ降下して船上で活動家たちと衝突する様子や、船の甲板に倒れている負傷者の様子を放映した。在イスラエル日本大使館によると、日本人が乗っていたとの情報はない。 
 
  イスラエル軍報道官は、ヘリコプターから降下するなどした兵士らが船団を制圧する過程で、活動家らが発砲、衝突したと主張している。軍は既に6隻を拿捕した。 


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