2010年10月07日12時41分掲載  無料記事
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地域

円高で1ドル50円は「歴史の必然」?  臨海工業地帯はどうなるのだろう  崔 勝久  

  10月6日のテレビ朝日の「スーパーモーニング」で衝撃的なインタビューがありました。同志社大学の教授が、ドルはこれまで過大評価されてきて、円高になるのは「歴史的必然」と言うのです。ミスター円の榊原氏も基本的には円高になることを認めていました。その教授は、1ドル50円もありうるということでした。円高になると海外に行く工場が増えるのではという質問には、海外移転は円高とは関係しない、それは海外の低賃金が最大要因とのことでした。 
そうすると、私が住む川崎市の臨海部はどうなるのでしょうか。考えてみまました。 
 
  川崎の臨海部の場合、臨海部は川崎の全面籍の20%で、JFE(元日本鋼管と川崎鉄鋼の合併会社)はその60%ですから、JFE社1社で川崎全部の12%を占めることになります。 
 
  その臨海部では、石油関連会社は勿論、JFEのような鉄鋼会社は海外の高炉に投資をし、現地で高品質の鉄を作り、現地生産を始めている日本の自動車メーカ(日産マーチはタイで生産し輸入されている!)に供給する体制が急速に実現されているので、近い将来(恐らく50年以内)に川崎臨海部のJFEは撤退か、大幅に縮小することは間違いないと思われます。石油関連はここ数年でしょう。 
 
  十数年前に、歯の抜けるようにがらがらになった臨海部は、東南アジアの旺盛な需要でまずJFEが元気を取り戻し、抜けた跡地にはどんどん後釜が来ているようです。勿論、各企業の努力があり、公害をなくす技術開発がなされ、企業間の協力がなされているのは事実のようです。 
 
  しかしそれが、川崎は「公害都市」であったが、今や世界に誇る「環境都市」と言えるのか、その点は疑問です。専修大の白書では、京都議定書でだされた炭酸ガスの規定をクリアすることはまったくできてないそうです。 
 
  今月の30日(土曜日)に川崎市産業政策部の伊藤部長をお呼びして「川崎臨海部の現状と展望について」の2回目の懇談会を持ちます。多くの方が参加されますように(事前に申請下さい)。 
 
http://anti-kyosei.blogspot.com/2010/10/skchoi777gmail.html 
 
  伊藤部長は苦戦する川崎の中小企業のために心血を注ぎ具体的 
な対策をされてきていると伺っています。当日はそういう実態と、 
その上で50年先、川崎臨海部をどのようにすべきなのか、その展望に関して市民との意見の交換をしたいと考えています。 
 
  現在の川崎市の将来像に関しては、行政は各地区の具体的な現状と課題を明記しているのですが、臨海部の将来像に関しては一言 
も触れていません。 
 
  しかし地域の活性化、地域のあり方は、市民と識者、企業との 
真摯な対話を通して話し合われなければならず、それが政策に反映されないと具体的な展望を持つことはできません。 
 
  世界では、その地域の実情にあわせながら、ドラスティックな 
(高速道路を無くし川を作ったり、運河を再開発したり)政策が実際になされています。わが川崎でできないことはないはずです。 
 
  世界に誇る「国際都市」川崎は一朝一夕にはできません。経済政策だけではできません。市民が参加し意見を述べることが普通にない、行政とも対等に話し合えことが保障され、何よりも、同じ行政パーソンを国籍で差別する制度を一日も早く撤廃し、世界に「国際都市」宣言をしなければならないでしょう。「国際都市」は総合的な、あるべき街つくりの延長にあるのです。 
(seungkoo choi) 


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