2010年10月08日00時04分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201010080004125

橋本勝21世紀風刺画日記

163回  もはや「冤罪」罪をつくるしかない

  日本の司法がとんでもないことになっている。 
  「郵便不正事件」裁判で村木被告に、取り調べ調書がほとんど採用されず、捜査も不十分ということで無罪の判決が下った。それだけでも検察の失態なのに、なんと主任検事が証拠を改ざんしていたということで逮捕された。さらに彼の上司もこれを隠そうとしていたという疑いで逮捕される。日本の司法への信頼を根底から揺るがせかねない重大事である。 
 
  冤罪ということでは幼女殺害の「足利事件」で有罪となり17年半服役した菅谷さんの無罪が確定ということがあった。最近、他にもいくつもの冤罪が明らかになってる。 
 
  冤罪を続発させる根本的な欠陥が日本の司法の構造にはあると思わざるをえない。 
  菅家さんは、自らを有罪とした国の責任と、賠償を求めて民事訴訟をおこすという。 
  彼に有罪判決を下した裁判官は菅家さんに正式に謝罪していない。 
 
  冤罪を防ぐためにも「冤罪」罪がもうけられるべきだ。警察、検察、裁判官さらに無責任な報道をたれながしたマスコミ、彼らはみな「冤罪」罪にとわれるべきである。 
  証拠の改ざん、捏造、取り調べの際の拷問といった悪質なものには厳罰を。さらに密室における取り調べでの自白強要という冤罪につながりかねないものを防ぐためは、取り調べの全面可視化を実施すべきである。これになんだかんだと理屈をつけて反対する者も「冤罪」防止をさまたげるとして「冤罪」罪にとわれることになる。 
  犯してもいない罪を背負わされて苦しまねばならぬ、ましてそれで死刑にされたら取り返しがつかない、そんな「冤罪」被害者のことを思えば「冤罪」罪の創設は司法改革の重大な一歩となるであろう。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。