2010年12月16日02時20分掲載  無料記事
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検証・メディア

一夜明けて ウィキリークス・アサンジ氏と米政府の歩みよりはあるか?

 スウェーデンでの性犯罪の容疑者として、ロンドンの刑務所に留置されたままのウィキリークスの代表者ジュリアン・アサンジ氏。14日、治安裁判所は条件付で保釈申請を認めたものの、スウェーデン検察側が抗告し、同日の釈放は実現しなかった。この後、高裁が48時間以内に(16日までに)双方から意見聴取する見込みで、この間、アサンジ氏は拘束されたままになる。(ロンドン=小林恭子) 
 
 スウェーデン検察側はスウェーデンへのアサンジ氏の移送を要求しているが、どうなるだろう。共同通信の報道によれば、「弁護側は移送を阻むためにあらゆる法的手段を取る構えで、移送をめぐる最終的な決着には1年かかるとの見方も出ている」。 
 
 昨日14日は、アサンジ氏の身柄がどうなるのかでこちらのニュースは持ちきりで、今朝15日も、アサンジ氏の顔が大きく載った1面を高級紙インディぺンデント、タイムズなどが作った。 
 
 あと2,3日は特に、アサンジ氏がニュースの中心になるだろうが、「今後、中期的にどうなるのか?」に関心が行く。 
 
 というのも、最終的には何らかの「落としどころ」が必要であろうと考えるからだ。アサンジ氏のみに注目が集まるのはウィキリークス本来の目的から離れるであろうし。 
 
 米国の外交及び軍事機密情報の暴露はそれなりに意味があるが、ほかにも世界中にはたくさん憂うべきことが起きているー不正なこと、違法なこと、人権侵害がたくさん起きている(もちろん、「米国の外交公電や軍隊の行動=違法、不正」と言っているのでは全くない)。 
 
 一連の外交公電や軍事機密の暴露で、情報の漏洩者はマニング米兵であったことがほぼ事実化しているが、一兵士がさまざまな軍事機密にアクセスでき、これを簡単に取得して漏洩できる状態であった米国の情報体制は、これまでにも批判の対象になってきた。 
 
 9・11の米国同時テロの後、機密情報の一元化が進み、「200万人から300万人規模の米軍や政府関係者がアクセスできるようにしたことが問題」(元駐米大使のクリストファー・マイヤーズ氏、BBCの番組で)、「米国の情報管理体制こそ、大問題だ」(オーストラリアのラッド外相、BBCの取材に対し)など。 
 
 こうした情報体制はすでに見直しが進み、変化しているとは思うけれども、米政府としても、いつまでもいつまでもアサンジ氏をターゲットにしているわけにもいかないのではないかー?さまざまな圧力をかけてアサンジ氏を追うと、逆に、「アサンジ氏=報道の自由を推進するヒーロー」というファンが広がってしまう。 
 
 米ウオール・ストリート・ジャーナルによると、「米タイム誌のパーソン・オブ・ザ・イヤー読者投票でアサンジ氏がトップ」という記事が出ていた。(アドレスを入れようとしたらものすごく長くなってしまったので、できればグーグルしていただきたい。) 
 
 
 最初の段落の引用 
 
ーー「米ニュース雑誌タイム誌の年末恒例「パーソン・オブ・ザ・イヤー」の読者投票で、ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジ氏がトップになった。約125万票のうちの38万票を獲得。毀誉褒貶(きよほうへん)は激しいが、彼が世界の度胆を抜いたのは確か。読者投票が行われた時期が、あの大騒ぎの直後だったことからしても彼の1位に違和感はない。日本絡みでも、米国が日本と共同開発したミサイル・システムを海外で売却するため、日本の武器輸出三原則の緩和を求めた在日米大使館の公電など日米や日韓関係に影響の懸念される資料が多数明らかになっている。ちなみにタイムの編集者が選ぶ本当のパーソン・オブ・ザ・イヤーは15日に発表されるそうだ。」ーー(引用終わり) 
 
 
 ・・・とこういう展開になってしまう。 
 
 何とか、折衷案というか、歩み寄り案はでないものだろうか?ツイッターでも紹介したが、フィナンシャル・タイムズ(日本語)は、米政府に対し、アサンジ氏に勲章を授けるべきだとさえ言っているのだ。アサンジ氏(ウィキリークス)と米政府、歩み寄ったほうが「報道の自由」は広がると思う。 
 
米国はアサンジ氏に勲章を授けるべきだ 
 
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5066 
 
*注:ジュリアン・アサンジ氏は性犯罪をめぐっては「容疑者」ですが、ここではウィキリークスの情報公開の話として、「アサンジ氏」と表記してあります。 
 
(「英国メディア・ウオッチ」より) 


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