2011年03月16日23時33分掲載  無料記事
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東日本大震災

「ヨウ素を含む消毒剤など飲んではいけません」〜国立成育医療研究センターの医師が注意を喚起〜

  「ヨウ素を含む消毒剤など飲んではいけません」と、国立成育医療研究センターの原田正平室長が注意を喚起している。福島で起きている原発事故でインターネット界では根拠のないデタラメな情報が出回っているからだそうだ。 
 
  放射性ヨウ素が大量に体の中に入った場合、健康への影響を低減するために、内服薬である「安定ヨウ素剤」を医師が処方する場合がある。それは医師の処方を要する。医師の処方に従うことには問題はない。 
 
  しかし今、インターネット界ではヨウ素を含む市販品のヨードチンキ、うがい薬、のどスプレー、消毒用せっけん、ルゴール液などを摂取せよ、との情報が出回っているらしい。もし、それらを「安定ヨウ素剤」の代わりに飲んだら、ヨウ素以外の有害物質も同時に摂取する可能性があるので絶対にやめてください、と原田氏は言う。そもそもそれらは内服薬ではない。また、ヨウ素が含まれるワカメなどを食べても、効果がないという。 
 
  「「安定ヨウ素剤」は医師が処方するものであり、原子力災害などの緊急時に、指定された避難所などで服用指示があった場合のみ、服用してください」 
 
 と、注意を喚起している。この注意は独立行政法人「放射線医学総合研究所」が3月14日に出したものを、国立成育医療研究センターの原田室長が引用しているものである。 
http://kodomo-kenkou.com/cretin/info/show/509 
■国立成育医療研究センターの原田正平氏 
  北海道大学医学部卒業。北海道内の大学病院、一般病院で小児科医としての研修を受け、その後、大学病院及び北海道立衛生研究所で、小児内分泌学に関する臨床研修と研究を行う。特に先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)マススクリーニングに関しては、専門医としてだけではなく、スクリーニング検査を実際に長期にわたり行った経験を有している。 
  2004年8月から現職である国立成育医療センター研究所室長として、子どもの病気に関する様々な情報収集に努め、またその情報を社会全体が効果的に利活用するための方法について研究している。(原田氏のホームページから) 


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