2011年03月17日09時41分掲載  無料記事
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東日本大震災

チェルノブイリ原発事故汚染除去専門家が日本、IAEAを激しく非難

  福島第一原発の暴走に関連して、かつてチェルノブイリで原発事故の汚染除去に当たった専門家が、日本の対応とIATA(国際原子力機関)の存在を激しく非難している。こうした事態が引き起こされるのは、原子力産業に利益擁護が優先されているからだ、と彼は述べる。ロイターが伝えた。(大倉純子) 
 
チェルノブイリ原発事故汚染除去専門家が日本、IAEAを激しく非難 
ウィーン | 2011 3月15日火曜日11:52am EDT 
原文 
http://www.reuters.com/article/2011/03/15/us-japan-nuclear-chernobyl-idUSTRE72E5MV20110315 
チェルノブイリの汚染除去メンバーの一人が火曜日に述べた。 
 
  福島の原発事故に関して、ロシアの原子力事故の専門家Iouli Andreevは、企業と国連の国際原子力機関(IAEA)は原子力産業の拡大のために25年前に起こった世界最悪の原子力事故の教訓を意図的に無視している、と激しく非難した。 
 
「チェルノブイリ事故後、原子力産業は自分たちに被害が及ばないよう何が起こったかを隠すことに全力を傾けた。チェルノブイリの経験は十分に研究されなかった。なぜか?いったい誰が研究資金を持っている?原子力産業だけだ。 
しかし、彼らはそうしたくなかった」 
 
  「原子力産業の強欲と国連の核エネルギー監視機関への企業の影響力が日本を拡散する核災害という破滅に追いやることになるかもしれない」 
 
  元ソ連スペツァトム(ソ連政府の特別緊急事態対応チーム:訳注)汚染除去機関の理事は、現在は原子力の安全性に関して教育とアドバイスを行っているオーストリアでインタビューに答えてこう言った。オーストリアの環境大臣は彼をアドバイザーに任命している。 
 
  Andreevは、福島の原子炉そばに置かれた使用済み燃料棒からのものを含む放射性物質を飛散させた火曜日の火事は、安全性よりも利益を重視させた典型例だという。 
「日本は大変強欲に、使用済み燃料置き場のすべてのスペースを使ってしまった。しかし使用済み燃料を高密度でおけば、万一プールから水がなくなったときに火災が起きる可能性がとても高くなる。」 
 
  また、使用済み燃料プールが会社のビルや運転中の原子炉に近すぎると指摘し、IAEAも設定基準に関して非がある、と述べた。ウィーンに本拠を置くこの機関が作った緊急事故対策チームは「ただのシンクタンクで現場の仕事をするわけではない」とこきおころした。 
  これはただのインチキ組織で、なぜなら原子力産業に依存する組織はすべて−そしてIAEAは原子力産業に依存している−きちんとそのあるべき役割を果たすことはできないからだ。」 
 
「IAEAはいつも現実を隠そうとする。IAEAは・・原子力産業で起こる可能性がある事故に世間の注意を喚起する気などない。彼らは緊急事態に備えて活動している組織にまったく関心がない。」 
 
  IAEAはAndreevの批判に対してなんらコメントしていない。 
Andreevは福島での日本の当局の努力をわかる過ぎるほど理解している、そして放射性物質の放出を含む大胆な解決が必要となるだろう、と述べた。 
 
(Alastair Macdonald編集) 


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