2011年03月19日15時32分掲載  無料記事
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東日本大震災

「日本人はまた再建に立ち上がると信じる」 募金活動を始めた元留日学生協会のゴー前会長

  マレーシア元留日学生協会(JAGAM)が地元華字紙「星洲日報」と共同で東日本大震災の被災者支援のための募金集めを開始した。この募金運動の責任者のゴー・ンゲセウン(吴玉祥)さんに話をきいた。ゴーさんは「日本人はまた立ちあがって国を立て直すことを信じています」と語った。募金は4月15日までおこない、100万円を集めるのが目標という。(クアラルンプール・和田等) 
 
 ゴーさんは1980年代に東京農工大に留学、2005年から09年にかけてJAGAM(会員約1300人)の会長を務めた。 
 
 「華人の中には、戦争中に日本軍がおこなった残酷な行為の記憶を抱いている人が今なおいるので、募金に抵抗感を示す人もいるかもしれません。その時の日本と今の日本は違うのだと言っても体に染みついた記憶にはなかなかぬぐいものがありますから」と、やや不安な表情を浮かべるゴーさん。 
 
 「でも私は日本を第二の故郷だと思っていますから、とにかくやってみようということで募金の責任者として手をあげたのです」。 
 
  実はゴーさんは3月15日から日本に出張をすることにしていた。そのスケジュールを詰めるため、11日に日本人の知人とメールのやりとりをしていた。しかし、同日午前中には問題なく送受信できていたメールが、午後のある時点を境にすべてゴーさんのところに戻ってきてしまった。何度やり直しても同じで戻ってきてしまう。いったい何があったんだろうといぶかっていると、ニュースで日本で大地震が起こったことを知った。「ああ、それでメールが送れなくなったんだ」と、そのときわかった。 
 
 すかさず日本の友人、知人の安否を確認した。なんとかほとんどの人と連絡がとれ、無事が確認できた。しかし、日本にいる友人から「今は日本に来ない方がいい」とのアドバイスを受け、日本行きを延期した。 
 
 「今回のような空前の惨状を目の当たりにして希望を失い、海外に移住しようという日本人が増えるのではという声を耳にします。でも私は、こんな大災害下でも規律と忍耐を発揮している日本人がまた立ちあがって国を立て直すことを信じています」。最後にゴーさんは、そんなメッセージを送ってくれた。 


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