2011年03月22日16時49分掲載  無料記事
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東日本大震災

原発への不安訴える声相次ぐ マレーシアの英字紙に医師らが投書

  東日本大震災による福島第一原発の事故を知った、マレーシアの人たちの間から原発に対する不安の声が相次いであがっている。同国政府が、2021年から翌22年にかけてそれぞれ発電能力1000メガワットを持つ原発2基を建設、稼働させる計画にまだ固執しているためだ。地元英字紙サン3月21日付号に寄せられた投書2通を紹介する。(クアラルンプール=和田等) 
 
 まずはネグリ・スンビラン州セレンバンのスーリアン医師の投書から。 
 
「原発を脅かすのは地震や津波だけではありません。(中略) 米国のスリーマイル島やロシアのチェルノブイリでの事故は、天変地異の干渉がなくても原発が異常をきたした例です。地震以外にも暴風雨やテロ、人的なミスといった要素も原発に対する脅威になります。それに自分たちが住む場所の近くに原発がつくられることに誰が同意するでしょうか?」 
 
「それに原発を設置するには相当のコストがかかるうえに、耐用年数には限度があります。原発を廃棄するのにも膨大な作業が必要になります。さらに燃料棒を貯蔵するのには、かなり長期にわたる負担が必要になるということを考えあわせれば、原発の建設を思い直すべきという結論を導き出すのが理にかなったことなのです」 
 
「一方、太陽光や風力、地熱などを利用した再生可能なエネルギーによる発電で命を落とす人は出ません。安全性を重視し、原発による発電を拒否すべきなのです。私は日本のお父さんたちのように、子どもたちに放射能漏れの破滅的な影響がおよぶのではという考えに取りつかれなくてもいいことに深く感謝したい気持ちです」。 
 
 続いて、「社会的な責任を求めるマレーシア医師」メンバーのトン・コクワイ医師の「原発はなぜ私たちのためにならないか」と題する投書より。この投書の中でコクワイ医師は、原発をつくるべきではない理由を次々とあげている。 
 
‖舂未諒射性廃棄物が出るが、その保管方法について抜本的な対処ができていないこと 
▲リーンなエネルギーの活用を抑え込む作用をもたらすこと 
4萎な安全性が保障されていないこと 
だ鏤に爆弾やミサイルの攻撃対象になったり、テロリストの乗っ取りや攻撃の対象になりうる危険性を内包していること 
ナ歇藉浜面などで原発の信頼性が確立されていないこと 
Τ吠軸鏗隼兇陵廾にもなりうること 
放射能汚染物質を大気や土壌、水の中に排出し、最終的に食物を汚染する恐れがあること 
┠設、運営費用がかさむこと 
建設や稼働させるまでに長期の時間がかかり、総体的にみると二酸化炭素の排出抑制にはあまり貢献しないこと 
コストがかさむこと、事故が起こった際に健康面に支障をおよぼすこと、大量の廃棄物を貯蔵するという負担が生じること、安全性に対する懸念などから、自分の住む場所の近くには建設してほしくないという人がほとんどという不人気な存在であること。 
 
 こうした理由をあげたうえでコクワイ医師は、「マレーシア人が発電にお金を拠出しなければならないのであれば、太陽光や風力発電、あるいはより危険性の少ない発電方法にお金をつぎ込ませてほしい」と結んでいる。 


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