2011年04月06日19時55分掲載  無料記事
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核・原子力

河野太郎議員が公式サイトで日本の原子力政策を批判

  自民党衆議院議員・河野太郎氏が公式サイトの中で、ユーチューブを使って日本の原子力政策を批判している。河野氏は長年、核廃棄物の処理について危惧を表明してきた。 
 
  河野氏は原発で生まれた使用済み核燃料は再処理をやめてそのまま保管しておくべきだという。その理由は使用済み核燃料を再処理すればプルトニウムと、高レベル放射性廃棄物が生まれるからだ。このどちらもリスクが高く管理が難しい物質である。 
 
  本来、プルトニウムを使用して核燃料のサイクルを完成させるはずだった「高速増殖炉」の完成は40年先の2050年以後だという。さらに高レベルの放射性廃棄物を埋蔵する場所である最終処分場も決まっていない。 
 
   高速増殖炉が実質的に難航しているために日本では過渡的な方法としてプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を原子炉で使い始めている。しかし、その割合はウラン9に対してプルトニウムは1にすぎない。河野氏はそんなことに大金を投じるより、再処理を凍結して、使用済み核燃料のまま保管しておく方が現実的ではないか、という。 
 
  日本はすでに英仏で再処理してもらって生まれたプルトニウムを45トン所有している。そればかりか六ヶ所村の再処理工場で今後毎年8トンずつ新にプルトニウムが生み出される。核兵器の材料となるプルトニウムが毎年トン単位で溜まっていくのは極めて危険だという。 
 
  河野氏の説明はわかりやすく、説得力がある。もともと高速増殖炉を前提にエネルギー政策を作成したのに、高速増殖炉が難航していることが問題になっている。高速増殖炉はあまりにも技術的に難しく、すでにアメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、ロシアは高速増殖炉を断念している。 
 
■MOX燃料 
  広瀬隆「原子炉時限爆弾」(ダイヤモンド社)によると、「これまで日本の原子炉で使われてきたウラン燃料と、プルサーマルで使われるMOX燃料が放出する放射能を比較すると、γ線で20倍、中性子線で1万倍、α線で15万倍という、とてつもない危険性を持っている。原発に搬入する時に、もし事故でもあれば被害は想像を絶する惨事となる」 
  さらに「プルサーマル運転で生まれる超危険な使用済みMOX燃料が最後はどうなるかが、重大な問題となる。これまで全国で拒否されてきた高レベル放射性廃棄物より、桁違いに危険な物質だからだ」 
 福島第一原発3号機ではこのMOX燃料を使っていた。 


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