2011年04月19日00時32分掲載  無料記事
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東日本大震災

あなたはわが子を「放射線管理区域」におきたいか  新学期の延長求め福島の市民団体が要望  

  病院のレントゲン室などに表示されている「放射線管理区域」の標識には「許可なくして立ち入りを禁ず」と書かれている。放射線被ばくを避けるためだ。しかし今、福島市内の学校校庭の多くで、「放射線管理区域」あるいはそれ以上に放射線量が高い「放射線業務従事者許容値」に匹敵する放射線が測定されている。4月4日、脱原発福島ネットワークや福島老朽原発を考える会などの市民団体は、県教育委員会に対し新学期の延長を求める緊急要望書を提出した。(上林裕子) 
 
  福島県は4月8日、県内学校校庭の放射線値を測定公表したが、多くの学校が「放射線管理区域」に匹敵するかそれ以上の汚染レベルであることが分かった。 
http://www.pref.fukushima.jp/j/schoolmonitamatome.pdf 
 
  市民団体は県の調査の結果をマップに落とし込んだところ、県内の多くの地域が「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)や、「放射線業務従事者許容値」(2.3マイクロシーベルト/時以上)となった。 
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/post-9b59.html 
 
  放射線で校庭が汚染されているということは、校庭を歩いたり走りまわったりするたびに放射性物質の微粒子が舞い上がり、子どもたちはそれを吸い込むことになる。現在測定で出ているのはヨウ素とセシウムだが、当然ストロンチウムやウラン、プルトニウムなど様々な放射性物質が含まれているはずだ。ストロンチウムは体内に取り込まれて骨に蓄積する。「食べても安全」と宣伝されているプルトニウムは、消化管からはほとんど吸収されずに排せつされるというが、吸い込んだ場合は肺の中で放射線を出し続ける。 
 
  「放射線管理区域」、あるいはそれ以上過酷な環境の中で子育てをしたいと思う親はいない。子どもの健康を心配して県外に転出する家族も少なくないというが、専門家は、こうした問題は「親がわが子をどうするか、という問題ではなく、政府や自治体が対策を立てるべき問題」と指摘する。 
 
◇文科省、子どもの被ばく基準も「20ミリシーベルト/年」に引き上げ 
 
  こうした中で、政府の被ばく安全基準の緩和が、さらに現地の親たちを怒らせている。 
  政府は「計画的避難地域」の年間積算被ばく量を「20ミリシーベルト」とし、文科省は子どもの被ばく安全基準も大人と同じ年間積算20ミリシーベルトに緩和しようとしているからだ。 
 
  人の安全を考えて基準を決めているのではなく、現状に合わせて基準を緩和している。しかも、子どもまで大人並みに緩和しようとしているのだ。 
 
  市民団体は4月15日、原子力委員会と文科省に対し質問状を送付、「子どもの被ばく量は少なくとも現行の「1ミリシーベルト/年」を維持することを求めている。 


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