2011年04月23日11時46分掲載  無料記事
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東日本大震災

「子どもを被爆させていいのか…」 文科省の基準値に福島の親たちから悲痛な叫び

  現在、福島で子育てをする親御さんたちの、悲鳴にも似た叫び声が、Twiiterで多く上がっている。 
なぜなら、文科省が子どもの年間被曝量の暫定基準値を20ミリシーベルトに設定したため、本来なら「放射線管理区域」になるほど高い放射線量が計測されている学校にも、子どもたちが通わねばならない事態になっているからだ。 
 
下記は、福島県郡山市在住で、小学生の子どもを持つパパのツイートまとめたものだが、読んでいるだけでも胸がつまってしまう。(和田秀子) 
 
ツイートのまとめはこちら 
http://togetter.com/li/126819 
 
このパパさんは、 
「放射線量の高い学校に子どもを黙って通わせて、みすみす“被爆”させて良いのか……」 
と悩み続け、 
「保護者の気持ちが一つになれば、子どもの通学を止めさせよう」と、Twitter上で呼びかけた。 
 
パパさんがツイッターを始めて、わずか2〜3日でフォロワーは500人台へ。 
多くの激励メッセージが寄せられた。 
そしてついに、 
 
「バカな親の決断です。これから学校へ子供を迎えにいきます。そして明日から学校へは通わせません。今はあまりにも統一性がない。国も、役人も、学校も、先生方も。私は悪魔をやめる。何日間かわからないが、勉強なんていつでもできる。そう、命さえあれば…。」とツイート。 
 
しばらく子どもを学校に通わせないことを決意した。 
 
これに対して、一部のフォロワーからは、「学校に通うこと以上に有意義な時間、経験、チャンスを子供に与えることができるんですかね。この方は」といった批判的な意見も寄せられたが、多くは「バカな決断ではありません。立派だと思います!」といった激励のメッセージだった。 
 
◇「通わせない」は、ハードルの高い選択 
 
きっと、このパパさんのような気持ちで、日々子どもを学校に送り出している親御さんは多いだろう。 
「だったら、休ませればいいじゃないか」「疎開させればいいじゃないか」 
と思う方もいるかもしれないが、実際にはそう簡単ではないようだ。 
 
家族の間でも、「通わせる、通わせない」で意見が対立していたり、近所の目を気にしたり、さらには「子どもを不安にさせまい」と、できるだけ普段通りに振る舞おうとしたりしている方も多いからだ。 
また、長期間学校を休ませることで「成績」や「内申書」に影響がでることも考えられるため、なかなか思い切った決断ができないでいる。 
 
このパパさんのように、「今日も子供たちは義務教育という鎖につながれて、被爆させられている。行ってらっしゃいと送り出す我々は悪魔以外何者でもない……」といったやりきれない気持ちで、子どもを学校にやっている親御さんも多いのではないだろうか。 
 
ただ、子どもの受け入れを表明している県は、数多くある。 
他県に住む者たちが、せめてできることといえば、選択肢を用意して、ちょっとだけ背中を後押しすることかもしれない。 


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