2011年05月15日11時37分掲載  無料記事
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核・原子力

グリーンピースの海洋調査で高濃度の放射性物質を海藻類から検出 、政府に緊急調査を要請

  暴走する福島第一原発が海洋に放出している放射能汚染水の影響を調査している国際環境NGOグリーンピースは、福島第一原発から50キロ離れた沖合で採取した海藻アカモク(ホンダワラ科)などから1キログラムあたり最高で13,000ベクレル以上の放射性物質を検知(注2)。また近くの漁港で譲り受けたアカモク、コンブ、フクロノリなどの海藻サンプルからも、1キログラムあたり最高で23,000ベクレル以上の放射性物質が検出された。この結果を受けてグリーンピースは5月12日、「日本政府に対し、福島第一原発周辺での海藻類の緊急調査ならびに、それに伴う漁業関係者への損害補償を早急に行うよう要請した。(日刊ベリタ編集部) 
 
  グリーンピースの調査船「虹の戦士号」(オランダ船籍、555トン)で行った海洋調査(5月3日から5月5日まで)では、福島第一原発から50キロ離れた沖合で採取した海藻アカモク(ホンダワラ科)などから1キログラムあたり最高で13,000ベクレル以上の放射性物質を検知した。 
 
  また福島第一原子力発電所の南約30劼ら65kmの場所に位置する久ノ浜(ひさのはま)、四倉(よつくら)、江名(えな)、勿来(なこそ)などの漁港で譲り受けたアカモク、コンブ、フクロノリなどの海藻サンプルからも、1キログラムあたり最高で23,000ベクレル以上の放射性物質が検出された。 
 
  グリーンピース・ジャパンの海洋生態系問題担当の花岡和佳男氏は、この調査結果を受け次のように述べている。 
 
「近接県には、国内ワカメ生産量の約7割を占める一大産地があり、また、海藻類の収穫が来週にも始まろうとしている地域があります。しかし、政府や都道府県による海藻類の調査はほとんど行われていません。早急な調査と対策が必要です」 
「漁業関係者は、放射能被害における損害補償の話の進展もなく、漁業再開の見当もつかないままの不安な日々を過ごしています。収入源である漁業を奪われ、漁協から借金をして食いつないでいる人もいます。政府や東京電力は、未調査海藻類収穫の一時中止と早急な調査、さらには漁業関係者が被る被害の全額補償をセットで実行すべきです」 
 
  グリーンピースは、今回暫定結果を発表した海藻以外にも、海水、魚類、貝類などを沖合、沿岸域でサンプリングしており、これらについても、今回発表した海藻類とともに海外の研究所に依頼するなどして調査結果を確認した上で、来週に記者会見を開いて発表するとしている。 
 
【グリーンピース放射線調査について】 
 
■調査期間 
沖合での海洋調査(調査船「虹の戦士号」での調査):5月3日(火)から5月5日(木)までの3日間 
沿岸からの海洋調査:5月2日(月)から5月9日(月)までの8日間 
 
◆沖合での海洋調査によって採取した10サンプルの内訳: 
・3サンプルでベクレルモニターの測定上限値(10,000 
Bq/L)を上回った。これらはBq/Kgに換算すると、採取した各サンプルの密度により、12,000 〜13,000 Bq/Kg以上の値となる。 
・ 2サンプルで高濃度の放射性物質が測定された(2,233Bq/kgおよび 1,530 Bq/kg) 
・ 2サンプルで低濃度の放射性物質が測定された(109 Bq/kgおよび 102 Bq/kg)・ 3サンプルでベクレルモニターの測定下限値を下回り、測定不可能だった。 
 
◆沿岸からの海洋調査によって採取した12サンプルの内訳: 
・ 6サンプルでベクレルモニターの測定上限値(10,000 Bq/L)を上回った。これらはBq/Kgに換算すると、採取した各サンプルの密度により、14,000 Bq/kg 〜23,000 Bq/Kg以上の値となる。 
・4サンプルで高濃度の放射性物質が測定された(986Bq/kg 〜11,291 Bq/kg)・2サンプルで低濃度の放射性物質が測定された(123 Bq/kgおよび 177 Bq/kg) 


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