2011年06月13日04時54分掲載  無料記事
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環境

「オーストラリア動物園」〜動物との養子縁組で保護活動〜

  オーストラリア東部クイーンズランド州にある「オーストラリア動物園」ではワニなどの養父母になってくれる人を求めている。養子縁組を待つ動物にはワニ、ラクダ、キリン、コアラ、トカゲ、サイ、パンダ、象、オウムなど様々だ。縁組の費用には50豪ドル(現在、1豪ドル=約84円)から1500豪ドルまである。こうして町の人に少しずつカンパしてもらうことで動物に親しんでもらうと同時に、動物園の維持と動物保護活動の資金源にしている。この動物園は民間の経営であり、国から資金提供を受けていない。 
 
  このオーストラリア動物園は有名なクロコダイルハンター、スティーブ・アーウィン(Steve Irwin,1962-2006)が活躍していたことで知られる。その起源は1970年にスティーブの父が立ち上げた2エーカー(80アール)の自然公園だった。そこにはワニ、タイガースネーク、カンガルーなどがいた。スティーブの母リンは傷ついた動物たちを癒したのちに再び自然に返すことを行っていた。この自然公園はのちに名前をオーストラリア動物園と改称し、息子のスティーブが舵をとることになった。 
 
  スティーブは1992年にアメリカ人の娘テリーと結婚したが、ハネムーンにも行かず、すぐに野生ワニの保護に乗り出した。さらに、その活動を紹介するドキュメンタリー、「クロコダイルハンター」も作り始めた。このドキュメンタリーはシリーズ化され150本以上の作品を数える。世界142か国で放送され、5億人の視聴者がいる。この放送事業からの収益をスティーブは動物保護に費やした。その結果、敷地面積は1500エーカーに膨らみ、スタッフも600人に増えた。 
 
  スティーブは密猟者の手にかからないようにワニを捕まえて救い出し、安全な地域へ再び放流することを行っていた。またこのオーストラリア動物園でも捕獲したワニたちを飼っている。 
 
  残念ながらスティーブは2006年に事故で亡くなったが、動物園では彼の遺志を継いで今後も野生動物の保護活動に力を入れていくようだ。(★動物園のサイトを参照した) 
 
■オーストラリア動物園 
https://secure.australiazoo.com.au/purchase/?animal=22#purchase_adoption 


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