2011年06月24日14時09分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201106241409555

東日本大震災

郡山市のコリアンスクールが危機に  日本人のための避難所も設営したのに、校庭汚染除去も支援なし

  3月11日に大震災・原発事故で周辺の日本人も受け入れ避難所として活動した福島県郡山市のコリアンスクール「福島朝鮮初中級学校」が存続に危機に陥っている。校庭の放射能汚染除去対策にも行政の支援は全くなく、財政的困難で児童生徒は今も新潟コリアンスクールに避難したまま。全国のコリアンスクールからの支援はあるものの、このままでは存続不可能なことにもなりかねない。学校関係者からは「避難所を設営し、日本の方々も分けへだてなく受け容れたのに、なぜ、自分たちの学校は、たった一度、県から測定にきただけで、まわりの学校のようにグラウンドの表土撤去の話すらでてこないのか」と失望がひろがっている。(日刊ベリタ編集部) 
 
学校紹介→ http://www.h2.dion.ne.jp/~f-chojun/ 
 
<これまでの経過> 
 
・3.11 東日本大震災により、建物損壊(修繕費500万円) 
・震災後、独自に避難所を設営し、周辺の日本の方々を受入、後に県が避難所として指定するも、必要な物資については、全国のコリアンスクールからの支援物資に依る。 
・5月初旬、学校の1学期を再開 
・5月15日 全校生徒を、新潟のコリアンスクールに2週間の予定で避難。 
・この間、県庁の私学法人課より、一度だけ、グラウンドの測定を受けるがその後、なんら、対応がなされないまま。これにより、学生の新潟コリアンスクールへの避難が、長期化することとなり、ひとまず1学期全期間避難することとなる。同時に、学父母、理事会から、廃校の懸念がひろがる。 
   突然、親元から離された小学校低学年児のこころのケアが要されるも、専門家がいないため、カウンセリングを実施できず。 
 
・6月5日 学父母、卒業生を中心として、自主的に、建物に付着した放射性物質の除染作業を執り行う。 
・6月13日 除染作業の効果の確認と工程表を作成する。そこで、グラウンドの表土撤去費用が、約700万円かかることが判明し、財政的窮乏から、学校存続の危機に立たされる。同時に、全国のコリアンスクールに対し、寄付金を要請する。 
・6月21日 グラウンドの表土撤去等について、県および郡山市からのなんの支援も得られないことにより、児童の健康面を考慮し、学父母および理事があつまり、2学期も新潟のコリアンスクールに避難することで調整。今後の課題として、グラウンド、建物の放射性物質の除染がすすまないとすれば、廃校も視野にいれた対応を迫られる。 
・6月26日 第2次自主的除染作業を予定 ただし、グラウンドは手をつけられないまま。 保護者からは、避難所を設営し、日本の方々も分けへだてなく受け容れたのに、なぜ、自分たちの学校は、たった一度、県から測定にきただけで、まわりの学校のようにグラウンドの表土撤去の話すらでてこないのかという、失望がひろがっている。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。