2011年07月14日14時52分掲載  無料記事
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反戦・平和

東京大空襲訴訟控訴審、5回目の口頭弁論 追加証人申請を却下

  東京大空襲*の被災者と遺族が国に謝罪と損害賠償を求めている東京大空襲訴訟控訴審の第5回口頭弁論が、7月11日、東京高等裁判所(鈴木健太裁判長)で行われた。第3、第4回の原告らの証人喚問につづき、弁護団が追加の証人喚問を求めたが、却下された。次回11月28日に最終弁論が行われ、来年春には判決が出る予定。(加藤〈karibu〉宣子) 
 
 この日は、内藤弁護士から「特別犠牲を強制されない権利」と戦争被害受忍論について、学習院大学の青井未帆氏の追加意見書が提出され、次回の証人喚問を求めた。さらに杉浦弁護士から、名古屋空襲被害者の杉山千佐子さんの陳述も求めたが、どちらも却下された。阪井弁護士から、東日本大震災の現状に関しても触れられ、加害と被害の現実を見よとの発言があった。 
 
 法廷後の報告会では、療養中の星野弘原告団長に代わって、副団長の清岡美智子さんが、援護法立法の議員連盟が出来つつあることを報告、「掲げた旗をさらに高く」したいと挨拶した。 
 
 その後、弁護団から報告が行われ、「立法しないこと自体に問題があるのではないか。被害はそれぞれだが、被害を受けた人だけが負担するのは不公正で、みんなが支えようというのが国家だ」と青井氏は指摘しているとの発言や、東日本大震災に関連して「被災者を助けるのが国として当たり前。震災も空襲も同じだ」という発言もあった。判決文主文で、謝罪と損害賠償を勝ち取りたいが、中身で「受忍論*」を退ける内容にするためにもさらに努力したいとの報告があった。 
 
*東京大空襲: 
 1945年3月10日未明、300機以上の米軍B29爆撃機が司令官カーチス・ルメイの指揮により、東京浅草・向島・城東・深川などの下町地域を空襲。日本爆撃用に開発されたナパーム弾を使用し、約2時間半のあいだに、頭蓋骨が確認されているだけで10万人以上の死者を出した。負傷者約40万人、焼失家屋は約26万8千戸、被災者100万人にのぼる。焼失面積約40.9平方キロメートル。家族・親類を失った人、障碍者となった人、孤児になった人、財産を失った人などの被害詳細は、未だ不明。 
アメリカの記録によれば、火焔は高度7000mにも及び、灼熱地獄と化した。東京では4月13日から15日に北部南部地域で、5月25日に山の手地域でも空襲を受けている。 
 
*「受忍論」とは、1976年提訴の名古屋空襲の裁判(原告3名)及び79年の遺族による東京空襲の裁判で、「国の存亡に関わる非常事態のもとでは、国民のひとしく受忍(我慢する)しなければならないところ」として原告敗訴を申し渡した最高裁判決の用語。 


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