2011年07月20日14時26分掲載  無料記事
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【たんぽぽ舎原発情報】おかしな放射能関連本もベストセラーに  みんなでアマゾンに書評を書こう  竹野内真理(翻訳者・フリーライター)

  アマゾンを見ると様々な原発・放射能関連本が売れており、良書も多くありますが、中にはとても怪しい理論を振りかざした本が見受けられます。そして始末が悪いのが、そのような本も売れてしまっていることです。(たんぽぽ舎「地震と原発事故情報」その123から) 
 
  以下原子力・放射能関連売れゆきベスト20です。 
http://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/books/501024/ref=pd_zg_hrsr_b_1_4_last#1 
 
  例えば近藤宗平氏の『人は放射線になぜ弱いか』(ブルーバックス)。本のタイトルはよいのですが(私も数年前タイトルにつられ買ってしまった)、中身は裏腹で、最終の章はなんと、「原発事故放射能にびくともしない人体」!!!なのです。また、今回第三版が増刷されましたが、扉のページに「今回の被ばくは生命に危険を与えることはまったくありません」と書いてあります。大量の放射能がばら撒かれ、かつ事故収束もしていない現時点で、何を根拠に!ですね。 
 
  しかし、この本、医学系の臨床工学の部門で5位という売れ行き。この本を巷の医師が本気で捉えたら、非常に空恐ろしいのです。 
 
  それともうひとつ、私がおかしいと思った本は、『低量放射線は怖くない』です。なんと無責任なタイトルなのでしょう。しかもレビューの4人が全員5つ星の評価!玄海原発のときのように、原発推進側が、星5つの書評を書いているのでは?と勘ぐってしまい 
ます。それにしても、なにも知らない読者を守らなければなりません。 
 
  だいたいにおいて、おかしなことを書いている人は、上記の二人を含め、有名大学の偉い肩書きの人に多いからだまされやすいのですから。(さすが国策の原子力!) 
 
  そして、有名大学えらい肩書き極めつけが、東大病院で放射線治療を担当し、ネット発信も活発という中川恵一先生の『放射線のひみつ』。体制側に論拠を置いた過小評価のリスク論で、しかも、現在進行形での権威者なので、始末が悪い!売れています。でも、「野菜嫌いの人のガン死亡リスクは150-200ミリシーベルトに相当します」なんて、おかしくありません!?それと妊娠期間中でさえ、100ミリシーベルト以上でないと胎児に影響が見られないとする中川先生、今後福島で、赤ちゃんや子供たちの健康障害が現れてきたとき、責任を取れますか? 
 
  私は上記3冊ともアマゾンの書評に投稿しました。是非皆さんも上記アマゾンのサイトで、おかしな本をクリックし、カスタマレビューをクリック、そして自分のカスタマーレビューを数分間だけでも費やして書いてみませんか? 
 
●筆者の自己紹介 
広島被曝医師肥田舜太郎氏と『人間と環境への低レベル放射能の脅威』を共訳。ランキングを見ていて、上記の現象に気づいてしまいました!ちなみに一冊目の共訳本「低線量内部被曝の脅威」は、内容をあまり理解していない体制側らしき人たちから、星1や2の書評を頂き(涙)、亡くなった著者と遺族の名誉を考え、反論を書くのに孤軍奮闘してきました。 


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