2011年07月21日13時18分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎原発情報】電力会社の企業体質のいったんを紹介します

  「やらせ」とは異なりますが、電力会社の企業体質のいったんを紹介します。(たんぽぽ舎「地震と原発事故情報」その124から、徳山ダム建設中止を求める会・近藤 ゆり子) 
 
  1995年末、私(たち)は、岐阜県大垣市の東端を流れる揖斐川最上流に予定されている徳山ダム建設中止の運動を立ち上げました。そのとき、徳山ダム計画に揚水発電計画が付随していることを知りました(当時)。徳山ダム(上池)に発電事業者として参画しているのは電源開発(株)ですが、下池の杉原ダムの事業者は中部電力(株)です。 
 
  1996年、岐阜での連合系のメーデーに、「徳山ダム計画(揚水発電計画つき)は無駄で自然破壊だ。あまりにも高コストであり、中部電力のためにもユーザーのためにもならない。中止させよう」というビラを配布しにいって、中電労組の組合員に「中電のやることに文句をいうのはケシカラン、ビラまきするな」と排除されました。「労使協調」といわれるものはこういうものか、と初めて感じた一件でした。 
 
  1996年6月の中部電力株主総会。家族名義(女性)の議決権行使ハガキで入場し、うまく発言機会をえることができました。発言冒頭に「○○番の××です」と述べますが姓が同じなので、議決権行使ハガキ/入場券と発言に齟齬はありません。・・・しかし中部電力は本人かどうか調べたのです、 
「公安も真っ青ぉー」。 
 
  翌1997年の株主総会では、「(家族名義であって)本人ではない」とのことで、入り口で入場を拒否されました。 
 
  株主総会では、議決権行使ハガキと引き換えに入場券を貰って中に入ります。このとき、ハガキの宛先とその場にいるのが同一人物かという本人確認はしないのが普通(実務上、その場で本人確認などできっこない)。明らかに本人でない場合でも、例えば男性名義のハガキを女性がもってきても、ノーチェックです。 
 
  ところがこのときには、顔をチェックする張り番が立っていたのです。1年かけて「名前と顔」を割り出して、「入場させるな」と備えていたのです。 
  写真を手がかりに目の前の本人を特定するのは難しい、警察のような訓練が必要です。中部電力はそこまでやっていたのです。 
 
  「家族名義ではいけないの?他の人は本人確認していないのに」と入ろうとしたら、「実力阻止」されました。さすがに”手”は出さない、中電社員が10人くらいスクラムを組んで行く手を 
遮るのです。接触すると太鼓腹で跳ね返される・・・2〜3回押してみましたが体力的に突破できるはずもなく、仮にいったん突破してもつまみだされるのは明らかなので、このときは引き下がりました。(翌年から自分名義の分をもったので同じ事は起こっていません) 
 
  中部電力の「反原発、許すまじ」の執念と、恥も外聞もないふるまいに驚き呆れました。 


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