2011年07月28日01時14分掲載  無料記事
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コラム

上海今昔     鬼塚忠

  6月、上海へ社員旅行に行ってきました。私がはじめて上海へ行った25年前と比べ、あまりの違いに驚きます。道を埋め尽くしていた自転車は消え、今では自動車が怒涛のように走っています。投げるように釣銭を渡していた食堂の従業員は、笑みまでふるまうようにサービスは向上。体育館のようなところで催していた中国雑技団は、照明と音響を使ったスペクタクルなショーになっていました。驚きですね。 
 
  道を走るタクシーは、とても多いのですが、なかなか拾えない。というのもタクシーが空いた瞬間に、人がそのタクシーめがけて走り、奪い合う。なかなか乗ることができないのです。需要と供給が合っていないのですね。 
 
  実はそのあとすぐに鹿児島へ行きました。鹿児島と上海は同じ緯度にあり、蒸し暑さもほとんど同じだったのですが、景気はまるで逆。タクシーはいっぱい繁華街に並んでいるのに、誰も乗ろうとはしない。空車のタクシーがずらりと並ぶ姿は、不思議な光景です。こちらも逆の意味で需要と供給があっていない。 
 
  上海の物価は日本の半分ほどでした。街の求人広告を見ると現地中国人の給料は1/10.現地採用日本人の給与は1/3程度でした。しかし不動産の相場は2倍。それでもやたらと高層ビルが立ち並らぶ光景。 
 街中では、どこのお店も人は入っているようでした。それだけ人口が多いということなのでしょう。豊かになりたいという願望、そんな気持ちが熱気とともにとても強く感じました。 
 
  中国の新幹線が特許を取るという記事によると、日本人の開発サイドは怒っていたようです。 
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE0E1E2E7958DE0E1E2E4E0E2E3E39494E0E2E2E2 
  実は私の親戚にリニアの研究開発員でJRの職員が山梨にいます。彼からその話をたまに聞くのはとんでもない中国の商習慣。最近そのことに関する中国の反論を読みました。 
http://j.people.com.cn/94476/7441863.html 
  この件に関して、じつは中国は日本以上に敏感になっており、三日に一度は感情的な反論を書いています。 
http://j.people.com.cn/94476/7426906.html 
  話を総合すると、中国のみならず川崎重工にも問題があるように思えます。 
 
  実際にその中国版新幹線に乗るとほとんど日本の新幹線のようです。しかしその運賃の安さにもびっくりします。上海から蘇州まで行ったのですが、たったの600円程度でした。 
 
  また、なんといっても興味を引いたのがリニアモーターカー。上海市内から空港までいくのですが431キロを出しました。すんごい早さで、空港までたったの7分で結びます。目が回ります。体力を相当消耗した感じがしました。景気の熱気による、軽い疲労とともに。 
 
鬼塚忠 
作家の代理人 アップルシード・エージェンシー代表 
著作「ザ・エージェント」(ランダムハウス講談社)他多数 
http://www.appleseed.co.jp/ 


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