2011年08月05日11時51分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

180回  いまこそゴジラの想像力を!!

脱原発の動きが盛り上がっている 
デモも活発化している、世論調査でも反原発のほうがはるかに高い 
今回の福島第1原発事故のもたらした惨状に 
多くの日本人が原発に対して大きな危機感をいだいたのは当然であろう 
 
それは先の戦争の時代を生きた日本人の多くが 
そのあまりの悲惨な体験から「反戦」の思いを強くしたことを想起させる 
だがここであえて言うなら、それは起こってからでは遅いのだ 
反対するならそれが現実になる前に 
そのことを予想し、反対しなければいけなかったのだ 
現実から学ぶのは当然として、未来におこることを想像する力の大切さだ 
 
その想像力とはおこりえる最悪のことにも思いをめぐらすことでもある 
そうした危機を警告してやまない 
想像力を結実させたすぐれた芸術作品の役割は大きい 
たとえば核時代の恐ろしさを背景にして作られた「ゴジラ」(本多猪四郎監督)だ 
 
1954年に公開されたこの映画は鋭い感受性と豊かな想像力とが結びついた 
日本のSF映画の傑作であり、そしてビキニ環礁でアメリカのおこなった水爆実験と 
それがもたらした放射能に多くの日本人が恐怖したという時代を敏感に反映した 
核世界の未来を告発するものでもあった 
 
この同時代のやはり核の恐怖を描いた映画の傑作として 
忘れてはならないのが黒澤明監督の「生きものの記録」である 
福島原発事故が時の経過とともに風化し 
いつのまに原発維持の空気となっていたなんてことにならないためにも 
想像力の大切さを強調したい 
 
「ゴジラも恐れる原発事故」という我が風刺画 
そんな想像力の大切さを具体化したものですがいかがでしょうか・・・・・ 


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